お風呂の排水口がつまる原因とは

一般的に、お家の水場で一番つまりやすい場所はお風呂場です。抜け毛や石鹼カス、皮脂汚れなど洗い流す汚れの種類と量が多く、うっかり小物を排水口に落としてしまうこともあります。まずはよくあるつまりの原因をご紹介します。

髪の毛やヘアゴムが詰まっている

髪の毛は年齢・性別を問わず、健康な人でも1日に50本から100本ほど自然と抜けていきます。髪を洗うと、1日の抜け毛の半数以上が水で落ちるそうです。ヘアキャッチャーを使用していても、一部は排水管まで通りすぎていくことがあり、長年蓄積した髪の毛が排水口つまりの原因になります。

身体を洗う際、ヘアゴムやヘアピンは排水口に流してしまいがちです。髪をすすぐため目をつぶっている間に、気がついたら排水口に吸い込まれているケースが多いようです。詰め替え用の洗剤パッケージの切れ端や絆創膏など、小さなゴミを流してしまうこともあるでしょう。そのような固形物は、大きければヘアキャッチャーにかかって取り除ける場合もありますが、小さなものはそのまま排水管まで流され、内部に残ってしまうことがあります。固形物が髪の毛が絡むことで大きなかたまりとなって水はけを悪くし、流れを止めてしまうことがあります。

普段からヘアキャッチャーを掃除し、排水口ネットなどを使って固形物をせき止めることが大切です。ヘアキャッチャーにゴミがたまると雑菌が繁殖してヌメリの原因にもなるため、常に清潔にしておきましょう。

石鹼カスや垢がつまる

排水口に皮脂や垢、石鹼カスなどがたまり、つまりの原因となることもあります。洗い流されたメイク落としの油分や皮脂汚れは、ヘアキャッチャーを抜けて排水口に落ちたあと、温度が下がることで固まっていき、排水管内で固形に変わります。

とくに粘り気のあるトリートメントやクレンジング剤などの石鹼カスが、髪の毛や垢などと一緒に排水管内に付着すると、ヘドロ状にたまっていきます。

石鹼カスや垢には重曹が効きます。普段からシャワーの水で温めながら洗うことで、排水管内の汚れをたまりにくくできます。

戸建ての場合排水桝がつまる

戸建ての住まいには、屋外に排水桝という設備が設置されています。一時的に生活排水や雨水を溜める機能があり、建物の内外から流された汚水が下水管をつまらせないよう、点検、メンテナンスを行うために排水管と下水管のつなぎにあります。

排水桝には、お風呂場だけでなく台所や洗面所、洗濯機など水周りの排水がすべて集まるため、油や石鹸カスなどを含んだあらゆる汚れが蓄積されます。古い戸建てなどで、定期的に排水桝の清掃を行っていない場合は、たまった汚れが下水管をふさいでいる可能性があります。お風呂場の排水口を清掃しても水はけの悪さが改善しないときは、排水桝のつまりが疑われます。

下水管のつまりを抑制するために設置されているものの、排水桝がつまったまま放っておくと排水管へ下水が逆流する恐れもあるので、定期的に水道業者へ排水桝の点検と清掃を依頼しましょう。可能であれば、年1回ペースでの点検が理想的です。それ以上の期間を置いている場合は、使い方や排水の量にもよりますが、つまりを引き起こす可能性があります。

ちなみにマンションなど、戸数の多い集合住宅では、年に1回程度、排水管清掃を行っていることが多いようです。定期的に業者が高圧洗浄機やワイヤーなどを使って汚れを除去し、つまりを起こさないための清掃、メンテナンスが行われます。

集合住宅にお住まいで、排水管掃除をしてもつまりや悪臭が解消しない場合は水道業者に依頼する前に、まずは大家に問い合わせたほうがいいかもしれません。清掃が行われた直後にもかかわらずつまりが発生している、もしくは自分の住居の排水管が定期清掃されているか分からないというときは、大家の住宅管理に義務付けられている排水設備の点検が十分行われていない可能性があります。

下記の記事ではお風呂から異臭がしてきた際の対処法について紹介しているので参考にしてみてください

お風呂の排水口がつまったときの対処法【洗剤編】

排水口が詰まって困ったときは、市販の排水管洗剤で解消できることがあります。スーパーやドラッグストアでよく見かける商品ですが、用途にあわせていろいろなタイプがあります。それぞれどのような特徴があるのか、使い方や注意点も含めてご紹介します。

ピーピースルー

清掃のプロが使用する業務用洗浄剤を家庭向けに改良したのが、和協産業株式会社の「ピーピースルー」です。実際の清掃現場でのフィードバックをもとに開発された排水管洗浄剤なので、実力は折り紙つきです。ピーピースルーは顆粒の粉末洗剤で、水と反応して発熱することで汚れを溶けやすくし、強力な発泡で浮かせて落とすのが特徴です。

ただし、強力なぶん使い方を間違えると危険も大きいです。同じ顆粒タイプでも、さまざまな種類があるので、それぞれ説明書をよく読み、かならず注意文にしたがって使用してください。

種類によっては医薬用外劇物に指定されているので、購入には所定の手続きが必要な場合もあります。しかし他の洗剤では効かなかった排水口のつまりが、これで解消したというケースもあるようです。たまりきった汚れを確実に落としたい場合には、こちらがおすすめです。

液体パイプクリーナー

パイプクリーナーは排水管を掃除するための洗剤で、ピーピースルーのような粉末タイプの他に液体タイプがあります。

使い方は基本的に排水管へ薬液をそそいで、商品ごとに指定された時間をおいたあとに、水で洗い流すだけです。粉末タイプ同様、ブラシでゴシゴシこする必要がなく、時間や体力を使わずに十分な効果が期待できます。

液体タイプであれば、粉末タイプや重曹とクエン酸のように手順を踏む方法に比べてさらに使い方が簡単で、日常の掃除に取り入れれば時間短縮が見込めます。

配合されている次亜塩素酸ナトリウムには髪の毛を溶かすほどの洗浄力があり、皮脂汚れには水酸化ナトリウムが効きます。つまりの状況や洗剤の用途にあわせて、配合成分を確認するとよいでしょう。
ただし、強力な洗浄力をもつものほど環境負荷が高く、用途によっては排水管を傷めるため使えない場合もあり、注意が必要です。

重曹とクエン酸（お酢）

排水管洗剤のような薬品を使うのは、小さな子どもがいる家庭では不安という声もあります。そんなときは重曹とクエン酸、またはお酢を使った方法で掃除できます。昨今は、掃除用の重曹やクエン酸といった商品が販売されていて、いずれも簡単に手に入ります。

分量は重曹とクエン酸を1:2の割合で使用します。おおざっぱで大丈夫ですが、あまりたくさん使うと、粉末の溶け残りがかえって排水管をつまらせてしまうこともあります。

排水口にスプーン1杯ほど重曹をふりかけ、15分ほど成分を汚れにしみ込ませます。その間にスプーン2杯のクエン酸を40～50度程度のお湯に溶かしておき、重曹にかけるよう流し込みます。重曹がクエン酸に反応して泡を出すので、汚れが浮いてくるのを少し待ったあと、あたたかいシャワーで洗い流せば完了です。

しみ込んだ重曹が泡を発生させることで汚れを浮き上がらせて剥がれやすくします。クエン酸がなければ、お酢を代用できます。どれも手に触れて安全な成分なので、薬品より効果は劣るものの、環境への配慮も十分です。

なお重曹を100g使用するなど、分量や割合については諸説ありますが、まずは少なく済ませる方法から試していくとよいでしょう。

パイプハイター高粘度ジェル

花王の「パイプハイター高粘度ジェル」は、高粘度のジェルが密着して汚れを溶かす洗剤です。香りがマイルドで、使用時にツンとくるいやなニオイが少なく済みます。お風呂場だけでなく、台所や洗面所のつまり解消やヌメリの除去、消臭、つまり予防ができます。99.99％除菌、ウイルス除去の効果もあるので、感染症の流行時期などにもおすすめです。

高粘度というだけあって、ジェルの密着度には高い評価があります。除菌や殺菌力に期待するなら、この製品がおすすめです。定期的に使用することで、排水口のつまりを予防できます。

パイプ泡パワー

サニボン「パイプ泡パワー」は、小林製薬が販売する排水管洗浄剤です。容器を逆さにして排水口に差し込み、容器中央を数度押すと中身が泡で出てきます。排水管の内側に泡のまま密着して留まることで、洗浄効果を発揮しやすく、効果的に汚れが落とせます。なお、容器を振るとかえって泡が出にくくなるため、注意して使用してください。

排水管内の髪の毛や皮脂汚れを溶かすのにも有効ですが、こすり洗いなどの必要なく排水口周りの黒ずみやヌメリを取り除けるのが特徴です。詰め替え用も発売されているので、2本目以降はお得に使用できます。

バイオ 排水管きれい

株式会社コジットの「バイオ排水管きれい」はバイオ（バチルス菌）の力を使って排水管をきれいにする画期的な商品です。浄化槽などでも利用されている仕組みで、タンパク質やデンプン、油脂など有機物の汚れを微生物が分解してくれます。なお、使用中に他の排水管洗浄剤や漂白剤などを流すとバイオが死滅するため、併用はできません。

バイオを定着させて、数日かけて汚れを落としていく商品なので、即効性はありません。手袋をつけずに使用でき、子どもがいる家庭や、環境にやさしく排水管を手入れしたい方におすすめです。

パイプユニッシュ

ジョンソンの「パイプユニッシュ」最大の特徴は、絡みついて落ちにくい髪の毛ヘドロを溶かして流れをよくしてくれることです。とくに髪の毛の長い人や、抜け毛の多い人は、ヘアキャッチャーをこまめに掃除してもつまりがちで、排水が遅く感じる方が多いのではないでしょうか。

パイプユニッシュは髪の毛を溶かすだけでなく、ヌメリの除去、つまりの解消とともに、定期的な使用で予防に期待できます。ボトルから直接ジェル状の洗浄液を流し込むだけで使い方も簡単です。

お風呂場の排水口以外にも、洗面所、浴槽、洗濯機の防水パンなど、幅広く使えるので大容量品がおすすめです。姉妹品のパイプユニッシュプロは、コンパクトながら、さらに強粘度のジェルで強力な洗浄力が期待できます。つまりがひどいときなど、状況に応じて使い分けるとよいでしょう。

洗剤を選ぶコツ

お風呂場の排水管は一番つまりやすい場所であり、さまざまな種類の汚れがたまります。そのため、汚れの種類ごとに適した洗剤を選ぶのがポイントです。排水管洗浄剤は、おもに水酸化ナトリウムと次亜塩素酸ナトリウムという2種類の成分を含んでいます。

水酸化ナトリウムは、皮脂などの油汚れを落とすのに効果があります。洗剤の成分表には水酸化ナトリウム濃度が表示されています。つまるほど頑固な皮脂汚れには1％以上のものがおすすめです。

1%以下のものでも、ニオイやヌメリの除去に有効です。つまるほど汚れておらず、日常的な手入れにはこちらで十分です。髪の毛のつまりには、タンパク質を分解する次亜塩素酸ナトリウムが含まれているものを選びましょう。髪の毛の主成分はケラチンと呼ばれるタンパク質なので、効果的につまりを解消できます。

また、洗剤成分は汚れに長く密着するほど効果が発揮されます。ドロっとした粘度の高い洗剤なら、すぐに流れ落ちず、じっくりと汚れに浸透してくれます。汚れに適した成分を含むか、成分濃度は目的に合うものか、くわえて粘度が高いものか、この3点に着目して洗剤を選びましょう。

洗剤を使うときの注意点

市販の洗剤は、効果が期待できる反面、使用方法に細心の注意を払ってください。かならず使用上の注意をよく読んで、正しい使い方を理解しましょう。使い慣れた商品でも、絶対に油断は禁物。使用法を誤るとどんな危険があるのか、ご確認ください。

他の洗剤と絶対に混ぜない

「まぜるな危険」の表示は排水管洗浄剤、カビ取り剤、漂白剤などによく見られる表示です。次亜塩素酸ナトリウムなどを含む塩素系の洗剤は、酸性成分と混ざると有毒の塩素ガスを発生させます。

特にお風呂場は換気が悪く狭いため、短い時間で有毒ガスが充満しやすいです。実際に死亡したケースもあり、「まぜるな危険」表示が義務付けられるきっかけにもなりました。なお、お酢やクエン酸といった料理に使える酸性成分が混ざった場合でも、致死量の塩素ガスが出る危険があります。安全のためにも、お掃除のたび、かならず十分に洗剤を洗い流しましょう。

掃除中は常に換気しておく

塩素系洗剤は、皮脂汚れといった酸性の汚れを溶かすときにも少しずつ塩素ガスを出しています。お風呂場の掃除中は、かならずドアや窓を開け、換気扇を回してください。塩素ガスが大量発生した場合でも、十分な換気で致命的な事態を避けられる可能性があります。

正しく使用していても、たまった臭気を吸って気分が悪くすることがあります。こまめに外へ出て新鮮な空気を吸うなどして、体調に気を付けましょう。

手袋をする

強力な成分を含む洗剤は、肌が弱い人でなくても、肌にかかれば触れた量や時間により肌荒れなど化学やけどを引き起こします。特に水周りでは手をすべらせたり、ボトルを倒したりするリスクが高いので、ゴム手袋を着用してください。塩素系洗剤が付着すると失明の危険もあるため、目や口を覆うゴーグルやマスクがあれば着用をおすすめします。

また塩素系成分は衣服に付くと色落ちしてしまうため、使用するときは長袖の古着やエプロンを着けるとよいでしょう。

業者に依頼する場合の平均相場・価格とは

紹介した洗剤でもつまりや悪臭が改善しない場合は、手に負えないほど汚れが蓄積しているか、固形物が排水管につまっているのかもしれません。また水が流れないほどのつまりには洗剤を使用できず、手段が限られます。

自力で解決できない場合には、水道業者を呼びましょう。ハウスクリーニング業者や家事代行サービスでも掃除してくれますが、水周りのトラブルは水道修理を専門とする水道業者が確実です。

お風呂場の排水口つまりの点検、修理費用の相場は、簡単な工事ですめば数千円でできることもあります。排水口の奥のつまりや、広範囲の排水管を修理する必要がある場合は価格も高くなるので、作業前に修理の内容や見積もりを確認しましょう。

失敗しない業者選びのポイント

つまりが解消しないからと、あせって目に付いた水道業者を選ぶと失敗することも。

まずは冷静に、信頼できる業者を探しましょう。判断のポイントをご紹介します。

口コミを確認して不信感はないか

残念ながら、利益優先でサービスの質が悪い業者が多く存在するのは事実です。格安を売りにしていたのに、あとで高額の追加費用を請求されるケースもあります。

広告だけ見て依頼せず、まずネットで口コミを検索して悪い評価などがないか確認しておくと安心です。ただし、誰でも簡単に口コミが投稿できる場では、信ぴょう性に欠ける投稿が混在することを理解しておきましょう。

口コミで信頼できそうな業者を見つけたら、会社のホームページを確認してください。水道局指定の業者であることや、作業前の見積もりや説明をきちんと行っていることがわかると安心できます。

見積もりをとって価格は平均的か

呼んだ業者が作業に入る前に、かならず見積もりを出してもらいましょう。点検した時点で作業内容や修理箇所が確認できなければ、何にどれだけ料金がかかるのかわかりません。見積もりの内容には、基本料金にくわえて出張料、休日や早朝深夜割増などが加算されていることがあります。また、部品交換費用や特殊機器使用料などについても事前に確認できると安心です。

見積もりを取らない業者には依頼しないのが賢明です。また、作業内容を事前に説明しない業者も信用できません。見積もりや領収書に水道工事一式などと記載し、工事の詳細を伝えられないまま、相場より高額の修理費を取られたというケースもあります。また、着手したあと、状況に応じて金額変更の可能性があるかどうか、事前に確かめておきましょう。

なお、見積もりが妥当な金額であるかどうかは、相見積もりを取って確認する必要があります。慎重に検討するなら、数社に見積もり依頼をして、料金設定や対応力などを比較することをおすすめします。

ハウスラボがおすすめの理由

ハウスラボは、市区町村などの水道局から正式に認定された水道修理業者です。水道に関する専門的な知識と技術を有していること、会社の身元が明確なので万が一に問題があったときは水道局に報告できることなど、安心して依頼できる条件が揃っています。

見積もりや出張料、深夜早朝割増やキャンセル料がかかりません。24時間365日年中無休で、急いでいるときでも最短20分で駆けつけてもらえます。

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排水口つまりに困ったときは、症状が悪くなる前に早めの見積もりを依頼してはいかがでしょうか。症状が軽いうちなら作業時間も短く、費用も安く済むかもしれません。

まとめ

お風呂場の排水口にはさまざまな種類の汚れが流れるため、他の場所より一層つまりやすいといえます。汚れの種類ごとに効果的な洗剤を選んで、排水管のつまりやニオイを解消しましょう。

排水管洗浄剤を試してもあまり改善しないときは、排水桝のつまりなど、他の原因も考えられます。放置すると汚水が逆流してあふれてしまう可能性もあるため、早めに水道業者に依頼することをおすすめします。