洗濯機の取り付け方法は?自分で設置する際の手順も解説
洗濯機を設置する前に確認したいポイント
洗濯機はある程度の大きさがある家電ですから、どこにでも設置できるわけではありません。そのため、洗濯機を購入する前に注意しておくべきポイントを押さえておく必要があります。ここでは搬入から設置までに注意すべき5つのポイントを紹介していきます。
1.搬入・設置スペースはあるか
洗濯機の搬入から設置までの手順を考えると、大前提として家へ搬入する際の「搬入経路」と洗濯機を置く「設置スペース」が必要です。特にドアや窓の幅よりも大きくて物理的に洗濯機を搬入できない場合、もしくは設置スペースに洗濯機を置けない場合は、返品などの無駄な手間がかかってしまいます。
返品を受け付けていないショップで購入した場合、無駄な買い物になってしまう可能性もあるので購入先も併せて検討しておくべきでしょう。なお、「搬入経路」と「設置スペース」の具体的な確認方法は次のとおりです。
搬入経路の確認方法
まずは購入を考えている洗濯機のサイズを確認してください。次に、洗濯機を搬入する際に通る経路の幅を確認します。一部掲載されていない機種もありますが、洗濯機のサイズは購入するショップやインターネットで調べられるので、その寸法を参考にします。これらの情報をもとに搬入経路を確認していきます。
搬入経路で特に確認するべきポイントは、「エレベーターの幅」「手すり付きの階段」「玄関ドアの幅」「廊下の幅」「設置場所の入り口」です。
製品と搬入に必要な幅について大手家電量販店では「洗濯機本体の寸法+10cm」や「洗濯機本体の寸法+ 20cm」などと推奨されているので、それぞれの幅に少なくとも10cmの余裕があることを確認してください。洗濯機の幅が家のドア幅よりも大きい場合以外にも、廊下の曲がり角でつっかえてしまうケースがあります。
また、手すりがついている階段は見た目よりも搬入できる大きさが制限されるので注意が必要です。螺旋階段など特殊な形状をしている場合も搬入が難しくなります。ただし、手すりがついている階段については、手すりよりも上の高さで運ぶことができれば障害にはなりません。搬入できるかどうかが分からない場合は、事前に搬入業者に確認すると安心です。
その他、洗濯機を玄関から搬入できない場合、窓やベランダから納入をするケースがあります。クレーンなどで洗濯機を吊って搬入する費用が発生するので、その際は注意が必要です。
設置スペースの確認方法
搬入経路の確認ができたら、次は洗濯機の設置スペースを確認します。洗濯機を設置する場所に防水パンがある場合は、その大きさを調べます。防水パンとは洗濯機を置くプラスチックのトレイで、洗濯機からの漏水を防ぐ役割があります。
防水パンのサイズは幅640mm×奥行き640mm 、幅740mm×奥行き640mm、幅800mm×奥行き640mmの3サイズが一般的ですが、近年は防水パンの規格に合わない製品も増えてきています。そのため、防水パンがある場合は設置できるサイズであるかを確認しておきましょう。特にドラム式洗濯機は防水パンの規格に合わない製品が多い傾向にあるので注意が必要です。
2.蛇口の形状タイプは合っているか
洗濯機を使用するには蛇口が必要です。賃貸住宅であれば、洗濯機を設置するスペースの近くに蛇口があるでしょう。しかし、蛇口の形状によってはジョイントなどが必要になるケースもあるため、購入を考えている洗濯機の規格を確認して、蛇口の形状タイプが合っていることを確認してください。
なお、洗濯機の代表的メーカーである「SHARP」「Panasonic」「HITACHI」の3社がインターネット上で公開している洗濯機の説明書には、対応している形状が記載されています。その他のメーカーも同様に情報を公開しているケースが大半なので、型番などから説明書や規格情報を探してみてください。
3.排水ホースが取り付けられるか
排水ホースを設置できるスペースの有無も確認しておきましょう。洗濯機から出る汚れた水を排水するため、「排水ホース」という長い管を設置する必要があります。一般的に、排水ホースは洗濯機と防水パンの間に設置されるので、洗濯機の下に排水ホースを取り付けられる空間があると安心です。
逆に、排水ホースを取り付けるスペースがない場合は設置が難しくなります。狭いスペースに無理やり排水ホースを設置すると、排水ホースが潰れてしまい水漏れを引き起こしてしまう可能性があります。そのため、もしスペースがない場合は「洗濯機用かさ上げ台」を購入するなど、排水ホースの設置ができるスペースを確保しましょう。
4.排水エルボがあるか
排水エルボの有無も確認しておくべきポイントです。排水エルボは、防水パンの排水口に付いている部品で、L字型の形状をしています。排水エルボによって、排水ホースと排水口をジョイントする角度を地面と直角になっている状態から平行に曲げることで、排水ホースが潰れるのを防ぎます。
仮に排水エルボがない状態だと、真上を向いている排水口に排水ホースを差し込むことになり、スペース内に収まらなくなるか、ホースが潰れてしまうでしょう。
賃貸住宅の場合、一般的には排水エルボが付属していますが、以前住んでいた住人が間違えて持って行ってしまったなどのケースもあります。もし排水エルボがない場合は、オーナーや管理会社へ問い合わせをしてみてください。問い合わせた結果、もともと排水エルボがないことが判明した場合は、ホームセンターなどでの購入をおすすめします。
5.設置場所は安定しているか
洗濯機は洗濯時や脱水時に大きく振動をするので、設置する場所が安定しているかどうかもチェックポイントです。少なくとも設置床面がガタガタしていないか、床がタイル床など滑りやすい素材ではないか、床が平らになっているかを確認してください。
また、「水準器」が付いている洗濯機であれば、傾きを容易に確認できるでしょう。水準器がなくてもホームセンターなどで必要な測定器は購入できます。
また、レンガや角材の上など不安定な場所に設置すると、騒音・振動が大きくなります。特に脱水時の振動は大きいので、不安定な場所に置くと倒れるかもしれません。地震で倒れる危険性も考えると、レンガや角材の上に設置する方法はおすすめできません。
洗濯機の簡単な取り付け方とは【ひとりでも可能】
ここまで洗濯機を購入する前に注意すべきポイントを5つ紹介しました。ここからは実際に洗濯機を買った方に向けて、一般的な洗濯機の取り付け方を紹介します。洗濯機の取り付けは頻繁に行うことではありませんが、順番を間違えずに行えばそこまで難しくはありません。
排水ホースと洗濯機の排水口をつなげる
最初に洗濯機の排水口に糸クズなどゴミが付着していないことを確認します。その後、排水ホースを排水口(排水エルボ)につなげます。排水ホースは洗濯機の下に収納されているケースが多いので、覗き込めば見つけられるでしょう。
ただし、排水ホースを取り出す時に排水口の逆側から取り出さないようにしてください。例えば、排水口が洗濯機の左側にあるのにも関わらず、排水ホースを洗濯機の右側から取り出してしまうと排水口までホースが届きません。洗濯機の機種にもよりますが、排水ホースは洗濯機の左右どちらからでも取り出す事ができる製品では特に注意が必要です。
次に排水ホースを排水口へしっかり差し込みます。排水ホースが抜けてしまうと漏水してしまうので、ホースバンドをつける場合があります。しっかり差し込みができたとしてもつなぎ目から水漏れをする可能性もあるため、心配であればビニールテープなどを巻いて補強する方法もよいでしょう。
給水ホースを設置する
排水ホースを設置できたら、次に給水ホースを設置します。給水ホースは蛇口と洗濯機を繋いで水を供給する役割があるので、排水ホースと同様に水漏れしないように配慮しなければなりません。
そのため、給水ホースには「継ぎ手」が同封されている事がほとんどです。継ぎ手は、蛇口と給水ホースが外れないようにする部品で、継ぎ手を緩めて蛇口に装着した後、再度継ぎ手を締め付けましょう。
ただし、同封されている継ぎ手と蛇口の規格が合わないケースがあります。その際は、別途ジョイントを購入する必要があります。ジョイント部品はメーカーや機種によって変わるので、取扱説明書をしっかりと確認しましょう。
製品のカスタマーサービスに問い合わせると間違いがありません。また、給水ホースが短くて蛇口に届かない場合は、無理に引っ張ったりせず別売りの延長用の給水ホースを購入しましょう。
アース線をつなげる
排水・給水ホースをつなげたら、次はアース線をつなぎます。一般的な賃貸住宅であれば、洗濯機を取り付ける場所の近くに電源プラグとアース線を取り付ける場所があります。電源プラグは通常の製品と同様にコンセントを差し込むだけですが、アース線は少々手順が複雑です。
大まかな手順は下記のとおりです。
・アース線端子のカバーを外すと、ネジで止められたプレートが出てきます。
・プラスドライバーでネジを緩めます。
・アース線の先端をまとめて、U字に曲げます。
・ネジの下のプレートと壁の隙間にアース線を入れます。
・プラスドライバーでネジを締めます。
・アース線が抜けないかを確認します。
アース線には、漏電した際に触っても感電しないように電気を逃す役割があります。その役割を果たすには、アース線と金属プレートがしっかり接している必要があるため、洗濯機の振動などで抜けてしまわないようにしっかりと取り付けましょう。アース線がない場合は、電気工事店もしくは販売店に判断を求めてください。アース線を取り付けたら、電源プラグをコンセントに差し込みます。
試運転してみる
全ての取り付けが終わったら最後に試運転をします。試運転の方法はメーカーと機種によって違うので、説明書に従って行ってください。試運転では、本体・給水ホース・排水ホースから水漏れしていないかを確認しましょう。また、異常音がないこともチェックしておきます。
洗濯機取り付けの注意点とは
洗濯機を一人で取り付ける際の注意点として、まず周囲の物や壁に洗濯機をぶつけないように配慮する必要性が挙げられます。特に賃貸住宅の場合は、搬入中に落として床に傷をつけてしまうと修繕費用が生じる可能性があります。
洗濯機を梱包していた段ボールを使ってクッション代わりにしたり、壁を養生したりするなど家屋に傷をつけないように工夫してみてください。
洗濯機の設置が不安な場合は業者に依頼しよう
ここまで洗濯機を買う前の注意点を5つと、実際に洗濯機を取り付ける方法を紹介してきました。一通り読んでみて、「ちょっと自分では取り付けできそうにないかもしれない」と感じた場合は、無理をせず業者へ依頼するのもおすすめです。
ただし、洗濯機の設置費用はショップや依頼先によって変わります。例えば、洗濯機を買い換える場合はショップに依頼するでしょうし、引越しであれば引越し業者に依頼することになるでしょう。ここではそれぞれの相場をみていきます。
購入した店舗に依頼する場合
設置費用は店舗によりますが、ショップで購入した洗濯機を設置する場合、配送料を無料にしている店舗は多いでしょう。ただし、2槽式洗濯機など一般的な洗濯機ではない規格の場合、設置料金が発生することがあります。また、洗濯機を設置する場所が3階や4階以上になると、それだけ労力がかかります。特に幅があるドラム式洗濯乾燥機の場合は3,000~6,000円程度で設定している業者もあるほどです。
また、クレーンでの搬入は20,000~50,000円程度がかかります。配送作業員を追加する場合も人件費がかかるので数千円程度加算される場合があるため、高層マンションや3階以上の住居、洗濯機が窓からしか搬入できない家に住んでいる場合は要注意です。
これらの内容から分かるように、手間と時間、家屋を傷つけるリスクがある作業だと費用がかかる設計になっています。一般的には搬入から設置まで行った場合でも、クレーンを使用しない限り数千円~10,000円前後が相場です。こちらもあくまで目安となるので、正確な費用は店舗等に問い合わせてください。
引っ越し業者に依頼する場合
引っ越し業者に依頼する場合も、業者や引っ越しの全体的な規模によって見積もり金額は変わってきます。多くの引越し業者は、特殊な作業が発生しない場合は設置まで基本のプランに含めていますが、設置費用を加算する業者もあるので注意が必要です。引っ越しで洗濯機を取り付ける場合は、複数の業者から見積もりを取得して比較検討してみてください。
また、引っ越し業者の場合も同様に、かさ上げやジョイントの設置など特殊な対応が必要になる場合は追加料金がかかる場合があります。クレーンでの搬入も特別対応に当たるので、追加料金を請求されるでしょう。クレーン対応の価格は提携している業者によるので、店舗と大きく変わることはなく、20,000円~50,000円程度が目安です。
ただし、3月や4月など引っ越しの繁忙期には値段が高くなる可能性があります。こちらも事前にしっかりとどこまで作業をして欲しいのかを伝えて、見積もりを取るようにしてください。
洗濯機の設置だけを依頼する場合
買い替えや引っ越しの際に料金がかかるため、自力で設置しようと考えている方もいるでしょう。しかし、作業を進めるうちに蛇口との形状が合わなかったり、洗濯機のかさ上げが難しかったりと作業を断念してしまう場合があります。
その場合は、洗濯機の設置を行なっている水回りを得意とする専門業者や、購入した店舗に問い合わせてサービスを受けられないかを確認してみてください。2,000円~5,000円程度の料金がかかってしまいますが、背に腹は変えられないでしょう。
洗濯機は取り付け方が分かれば、自分で設置することもできます。しかし搬入経路の確保や必要な設備の確認など、自力での設置に自信がない場合は専門業者へ依頼するのがおすすめです。各業者サービス内容が異なるため、しっかり比較して自分に最適な内容を選びましょう。
まとめ
洗濯機は大きい家電の1つですから、買う前に確認しておくべきポイントがたくさんあります。特に搬入経路の確認は重要です。また、設置スペースや蛇口の形状、排水ホースの取り付けスペース、排水エルボの有無、設置場所の安定性なども確認してください。
もちろん自力で設置することもできますが、難しい場合は業者に依頼する方法もあります。引越しであれば、基本料金に含まれているケースが大半ですが、買い替えの場合は購入先のサービス内容によるとしか言えません。
設置だけであれば数千円程度で済むので、自力で設置を試みて、どうしても難しいようであれば業者に依頼するのもよいでしょう。なお、業者を選ぶ場合は、サービス内容を比較検討して選ぶようにしてください。
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