一般的なトイレの広さ

トイレの広さを改善する前にまずは一般的なトイレの広さをおさらいしておきましょう。ここでは戸建住宅とマンションに分けて詳しく解説します。

一戸建てのトイレの平均的な広さ

はじめに一戸建てのトイレはおよそ0.5坪サイズで、幅80cm×奥行160cmほどのトイレが平均的とされています。一戸建ての場合、間取りを含めてある程度の自由が効くことからスペースを狭めすぎずにゆったりと使用できるサイズで作られやすく、平均的な成人男性が使用しても狭いと感じることは少ないです。二世帯住宅などでは2階にも別でトイレを設置するケースも多く、2つ目のトイレは幅80cm×奥行120cmと少し狭くなったトイレを作ることもあります。

一戸建ての場合は他の部屋のスペースを減らしてトイレ空間を拡張するなどの間取り変更を伴うリフォームも行いやすく、排水管や給水管の引き回しをすることで移設工事も行えます。

マンションのトイレの平均的な広さ

マンションなどの集合住宅では建築時点から部屋割りを決めており、それに合わせて構造を作ります。販売や貸出のことを考えて居住スペースを広く取って作られることが多く、トイレのスペースは0.4坪サイズの幅80cm×奥行120cmで設計されることが多いです。

コンパクトなトイレですが、使用する分には窮屈に感じることは少なく、使用するには問題ありません。マンションでは配管のスペースが限られていることから間取り変更や移設工事は難しく、限られたスペースを広く見せるための工夫が重要になります。

トイレの広さの目安

トイレの広さの目安となるのはマンションや戸建ての2つ目に設置されるトイレのサイズである幅80㎝×奥行120㎝以上のサイズです。この広さは便座に座った際に左右の壁が邪魔に感じないサイズで、かつトイレットペーパーなどに手が届きやすい距離です。

とくに座ったときには足から扉までの距離が近すぎると窮屈さを感じるだけでなく、立ち座りの障害になることもあるので40cm～50cmほどのスペースがあることが望ましいです。とくにセンサーで自動開閉をするトイレを使用するのであれば誤作動を防ぐためにもスペースが重要です。

介護を意識したトイレの場合

高齢者の介護を意識するのであれば幅160㎝×奥行160㎝以上の1.0坪サイズのトイレがおすすめです。これは立ち座りのサポートのために手すりをつけることや車椅子に乗ってトイレに入ること、介護者としてもう一人の大人が入室することを考えたサイズです。

さらにトイレの扉が内開きだと中のスペースに干渉をするので外開きもしくは引き戸にするのがおすすめです。内開きの場合、中で倒れてしまった際にドアが開けにくくなり救助が遅れてしまうといった問題もあります。リフォームをするのであればこのあたりも同時に考えて行うようにしましょう。

狭いトイレの課題

トイレが狭い家ではさまざまな課題があります。下記で紹介する課題の中から自分に当てはまるものがあれば解決できるかもしれません。

使用時に窮屈さを感じる

トイレは家族全員が毎日使用するため、狭いことで窮屈さを感じることになります。トイレは長居する場所ではありませんが、使用のたびに不快に感じるのであれば改善する必要があります。

とくにトイレは四方を壁に囲まれており、さらに便器に座るため実際の広さよりも狭く感じやすいです。そこに掃除用具やタオル掛けなどがあればさらに窮屈に感じるので悩む方も多いです。タンクの上やタンクの横などの人に干渉しないスペースに収納を作ることで改善することがあります。

掃除やお手入れが困難

トイレを清潔に保つためには日々のお手入れが欠かせません。トイレ掃除では便器の汚れはもちろん、左右の床や壁への尿はね、床に溜まる髪の毛やほこりの掃除をしますが、トイレが狭い家では体勢的にきついと感じることもあります。とくにタンクの下は便器によって手が届かないことも多いです。

トイレの掃除が困難に感じることで清掃頻度が減ってしまう可能性も考えられます。トイレは汚れが溜まりやすく、においやカビの原因にもなるのでますます快適なトイレからは遠ざかってしまう結果となります。

収納が少ない

トイレが狭いことで収納スペースの確保が難しく、トイレットペーパーの予備や掃除用具を床に置くことになると物があふれて余計に狭く感じます。トイレットペーパーは床に置くと衛生的にも気になるため早めの対処が必要です。

高所に設置できる吊り戸棚や突っ張り棒、タンク横に設置できるキャビネットに隠して収納するなど工夫をすればすっきりとした見た目にすることも可能です。

子どものトレーニングや介護上の問題

トイレが狭いことで子どものトイレトレーニングや高齢者の介護に支障が出ることがあります。上で紹介したトイレはあくまで一人の成人が使用することを想定しているサイズのため、子どもと一緒に使用する場合はとても窮屈です。扉を閉めてトイレをすることができなかったり、足元に台を置けなかったりと支障が出ることもあるので注意しましょう。

介護の面でも手すりを設置することで余計に狭くなってしまったり、杖を使っての入室や方向転換が困難に感じたりすることがあります。

狭いトイレにおすすめのトイレ

本項ではトイレの室内が狭いと感じるときにおすすめのトイレを紹介します。トイレリフォームではトイレの大部分を占めている便器を交換することでトイレを快適に使う事が可能です。ここでは大きく3種類のトイレを紹介します。

小さなタンクレストイレ

トイレリフォームでも特におすすめなのがタンクレストイレです。タンクレストイレとは流す際に使用する水をタンクに溜めずに水道から流すことでタンクの分のスペースを排除したコンパクトなモデルです。タンクレストイレは奥行きだけでなく幅も小さく、トイレ交換を行うだけで室内を広く感じさせる効果があります。

タンクレストイレは主要メーカーを中心に多くのメーカーが販売しており、商品の種類も豊富です。搭載されている機能はグレードやシリーズによって異なるので、リフォームの際には自分の求める機能と予算から商品を選びましょう。

タンクレストイレはコンパクトなことで他のスペースを収納に使うことも可能で、流線型の継ぎ目の少ない形状から日々のお手入れもしやすくなります。洗浄方法が異なることで少ない水で流せる工夫がされており、節水による節約も見込めます。

交換にかかる費用は商品によって異なり、15万円以上を見ておきましょう。ハウスラボホームでは毎月15台限定でアラウーノS160を大特価で施工していますので、詳しくは下記のページをご覧ください。

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収納が一体化したシステムトイレ

トイレの限られたスペースを有効活用するために収納一体型のシステムトイレも販売されています。システムトイレはデッドスペースとなるトイレ後方にキャビネットをつけることで、スタイリッシュなデザインでありながら機能性もあるトイレです。タンクをキャビネットで隠し、上部に手洗いを設置するなど見た目にもこだわって選択できるもの選ばれる理由です。

掃除用具やトイレットペーパー、コンセントや配管を収納することで他のトイレと比べてすっきりとした印象にでき、掃除の負担も軽減できます。

奥行きのコンパクトなトイレ

タンクレストイレやシステムトイレは狭いトイレでリフォームを考えている方に最適な商品ではありますが、やはり高価なために選択肢から外れてしまうことも多いです。トイレリフォームでトイレを広くしたいが高額な費用をかけたくないという方にはコンパクトに設計されたトイレへのリフォームもおすすめです。

タンクレストイレやシステムトイレは高機能すぎてもう少し機能も費用も抑えたいという方には下記のようなトイレもおすすめです。

トイレの空間を広く見せるコツ

狭く感じるトイレもトイレを交換せずに広く感じさせるテクニックもあります。数年後に引っ越しをするなどあまり予算をかけたくないというときにはここで紹介する方法も検討してみてください。

アクセントクロスでトイレを広く感じさせる

トイレを広く見せる工夫としてアクセントクロスを使う方法があります。アクセントクロスとはある部屋の壁紙を張り替える際に1面のみを別の色の壁紙で張替えを行う方法で、その面がアクセントとなり部屋の雰囲気を変える効果が期待できます。

トイレの壁紙は白やベージュ、ピンクといった淡い色が使われることが多く、その中で奥の1面もしくは左右どちらかの面のクロスを黒や紺などの濃い色で仕上げることで奥行きを感じられます。腰見切りを使って上下で分けるといった方法も可能で、下側にはお手入れがしやすいパネルや高機能性の壁紙を選ぶ家庭も多いです。

アクセントクロスを含めたクロス張替えを行う場合の費用相場はおよそ3万円～4万円。全体のクロスを張替える場合と変わるのはアクセントクロス分の材料代の差額程度なので大きな出費をせずにトイレを広く見せることも可能です。

扉を引き戸へ変更する

トイレの扉を開き戸から引き戸に変更するのもトイレを広く使うコツです。開き戸はその都合上扉の可動域にものを置くことができず、閉めていれば有効的に使える空間ですが収納や人のいる場所としては利用できません。

対して引き戸は戸袋と呼ばれるスペースに扉を格納して開閉をするためこのデッドスペースをなくし、有効活用できます。さらに開き戸と比べて間口を広く使えるので、杖や車椅子を使用している方にとっては大きなメリットです。引き戸の中でも上から吊っている吊り戸にすることでレールや戸当りをなくして段差のないトイレに変えることも可能です。

トイレの建具の変更は5万円～10万円ほどが必要です。ドア枠ごと変える場合など、工事の内容によってはクロスの張替えよりも高額ではありますが、目的が介護リフォームであれば条件を満たすことで介護保険や補助金を活用して工事できる場合があるので業者と相談して進めるようにしてください。

リモコンを壁付きに変更する

トイレのスペースを確保する方法として温水洗浄便座を袖付きタイプから壁付きリモコンのものに交換するという方法もあります。現在使用している温水洗浄便座のリモコンが便座に取り付けられている場合、トイレの裏を掃除する際に不便なだけでなく使用する際にも窮屈に感じることがあります。

壁付きリモコンのタイプに交換することで洗浄などが使いやすくなるため快適に感じることも多いです。また、壁付きリモコンタイプのほうが機能が豊富で、脱臭やオート開閉など高機能な便座へのアップグレードも狙えます。

リモコンは電池式で、壁への固定も難しい工事ではないので比較的簡単に行えるリフォームとして人気です。温水洗浄便座の交換は商品のグレードによって大きく変わりますが、安価なものであれば5万円ほど、ハイグレードなものでは10万円ほどが相場です。

アクセントクロスと同時に行うときは注意

ここで紹介した工夫としてアクセントクロスと壁付きリモコンタイプの温水洗浄便座がありますが、同時に採用する場合は注意が必要です。リモコンタイプの温水洗浄便座ではリモコンからの信号を便座で受けとって動きます。信号となる赤外線はトイレの壁に反射することで便座までたどり着きますが、アクセントクロスで黒を使用していた場合、赤外線を吸収してうまく信号が伝わらないことがあるため、施工前によく確認をしておきましょう。

狭いトイレも工夫次第で快適にリフォーム！

この記事では一般的な家庭でのトイレの広さや抱える悩み、その解消法を紹介しました。狭く感じるトイレでもリフォームするトイレや内装によって広くすることが可能で、中には内装のみに手を付けて費用を抑えてリフォームするのも一つの手です。

トイレは毎日使用するものだからこそ家族全員が快適に使えるようなリフォームプランを立てて実行していくことが重要です。トイレリフォームと聞くとお金が掛かりそうなイメージがありますが、トイレ交換以外にも便座や収納、内装、建具へと目を向けて自分の求めるトイレをつくりましょう。

ハウスラボホームでは要望と予算に合わせた最適なトイレリフォームプランをプロが提案いたします。365日いつでも見積もりに伺うことが可能で、見積もりはいつでも無料です。排水方式や間取りを見て設置できるトイレの選定も行いますのでまずは相見積もりからお気軽にご相談ください。