【解説】給湯器エラー「710(71)」の
主な症状と原因、対処法
こちらではエラーコード710(71)の主な症状や原因、対処法を紹介します。
給湯器がエラーによって正常に利用できないときには、以下を参考に今何をすべきなのかをチェックしてみてください。
給湯器エラー「710(71)」とは何のエラー?
エラーコード「710(71)」とは、給湯器の電装回路や制御基盤に異常が起きたときに表示される数字です。
エラーコードは給湯器のリモコンパネルに表示され、リモコンの表示が3桁の場合は710、2桁の場合には71と表記されます。
表記する形式の違いであり、710と71のエラーコードは同一のものであると考えて構いません。
表示されるエラーコード710(71)の内容は、使用している給湯器メーカーによって若干変わってきます。
例えば各メーカーの710(71)コードは、具体的に以下のようなトラブルを示しています。
- ノーリツ:燃焼制御回路の異常、もしくはガス電磁弁駆動回路の故障
- リンナイ:電子ユニットの異常
- パロマ:元リレー回路の異常
- パーパス:ガス電磁弁駆動回路の異常
東京ガスや大阪ガスなどの給湯器でも、メーカーごとのエラー内容が当てはまります。
細かい表現は変わっていますが、基本的にエラーコード710(71)は給湯器の燃焼を制御する重要な部品にトラブルが起きているという点では共通しています。
もし給湯器のエラーコードが表示されたら、まず使用しているメーカーとその内容を確認してみてください。
すぐ修理しないと危険な状態なの?
エラーコードの710(71)が表示されたとしても、ガス給湯器には安全装置が備わっているためすぐに大きなトラブルに発展する心配はありません。
ガス漏れや火事などの事故につながる恐れは、基本的に少ないと考えていいでしょう。
そのため状況によってはすぐに修理する必要はなく、余裕を持って下記で紹介する対処法を実施することができます。
必要以上に危険を感じることはないので、冷静に対応してください。
その一方で、給湯器から黒い煙が出ている、排気口の周辺がススで汚れているという異常が見られる場合には、すぐに使用を中止してください。
その他、対処法を実施してもエラーコードが解消されない、新たにトラブルが発生するといった場合にも、業者に修理や交換依頼をすることが考えられます。
エラーコードがいつ・何回起きたのかを記録して、その頻度から対処法を変えていくことも重要です。
ノーリツなどの各メーカーは、エラーコードの発生時に参照できるトラブルシューティングを用意しています。
トラブルの発生時には、メーカーホームページの情報等を参考にすることもポイントです。
「710(71)」エラーが出ている時の症状
給湯器に710(71)のエラーが出ているときには、下記のような症状が発生することが多いです。
・点火しない
・作動しない
・お湯が出ない
ノーリツをはじめとした給湯器がエラー710(71)を表示しているときにガスを使用すると、このような症状が出ることがあります。
多くの場合、お風呂場や台所でお湯が出なくなったときに、エラーコードに気づくことになるでしょう。
お湯が使えなくなるため、冬場にこのエラーが発生すると影響は大きく、対処法による早急な改善が求められます。
また、実際にエラーコードが表示されていない場合でも、給湯器の本体からカチカチといった音がなっている場合、症状の前兆の可能性があります。
給湯器からの異音に気づいたときには、早めに点検などの対応を考えるのがおすすめです。
「710(71)」エラーの原因
710(71)のエラーが出る原因は、「燃焼制御回路の故障」と「気温や天候などの自然現象」のどちらかであることが多いです。
ノーリツをはじめとした各メーカーの給湯器は、基本的に同様の原因から問題が発生します。
そのため基本となるエラー発生の原因を把握することで、具体的にできる対処法が見えてきます。
それぞれの原因がもたらす特徴と詳細を、以下で確認してみてください。
燃焼制御回路(燃焼に関わる部品)の故障
基本的に給湯器に710(71)のエラーが発生した場合、本体の燃焼制御回路が故障していることが原因だと考えられます。
燃焼制御回路とは、つまり給湯器の燃焼機能に関係する電装基盤です。
燃焼するという機能が故障によって損なわれてしまうと、点火ができなくなってお湯が出なくなります。
ノーリツも給湯器の710(71)エラー表示の原因を、「燃焼関連の部品や制御する基板の不具合の可能性」としています。
710(71)エラーによる問題が起きたときには、まず燃焼制御回路の故障を想定する必要があるでしょう。
長く使用している給湯器の場合、部品の劣化によって燃焼制御回路に不具合が起きることがあります。
経年劣化が考えられるほど長期的に使用しているのなら、給湯器の修理や交換も視野に入るかもしれません。
その他、給湯器の燃焼制御回路は、落雷が原因となって引き起こされることがあります。
落雷の衝撃によって給湯器の部品に負荷がかかり、それが原因となって故障することも考えられるのです。
前日に落雷があり、これまで普通に使えていたのに突然エラーが起きるようになったとう場合は、落雷が給湯器を故障させた可能性があります。
落雷によるトラブルの場合、給湯器の製品保証や保証延長による保証が受けられません。
そのため仮に購入したばかりの給湯器でも、落雷によって故障した場合には修理費用が発生してしまうのです。
一方で、落雷が原因の場合でも、火災保険や家財保険が適用される可能性があります。
加入している保険によっては、給湯器の修理費をカバーできることはあるので、詳細を問い合わせてみることがおすすめです。
火災保険や家財保険の対象になるためには、保険会社に給湯器の部品を交換する前後の写真と診断書の提出が求められることがあります。
事前に保険会社に必要な提出物を確認し、修理業者に対してもその旨を伝えて写真撮影と診断書の発行をお願いしましょう。
気温や天候などの影響
気温や天候などの自然的な影響によっても、給湯器のエラー710(71)が発生する可能性があります。
例えば前日との気温差が激しかった日などには、一時的な症状としてエラーが表記されることがあります。
気温を原因としたエラーは、特に秋から冬にかけての季節に起きやすくなります。
また、大雨や台風といった悪天候によっても、給湯器に710(71)のエラーが発生する可能性があります。
雨水が給湯器に侵入したり、内部に湿気がこもったりすることも、エラーの原因になり得るのです。
いずれの場合も給湯器の故障ではないため、一時的な不具合にとどまることが多いです。
天候の回復を待ってから、後述の対処法を実行することで給湯器のエラーを解消できることがあります。
710(71)のエラーが発生した原因として、気温や天候などの影響が考えられる時には、すぐに業者に連絡をせず以下の対処法を試してみてください。
自分で出来る「710(71)」エラーが出た時の対処法
710(71)のエラーが出たときに自分で出来る対処法は、「リモコンでリセットする」方法と「本体の電源プラグを抜いてリセットする」方法の2つです。
給湯器本体に致命的な問題がなければ、これらの方法でエラーは解消し、通常通り使えるようになるでしょう。
それぞれの方法について解説するので、ノーリツなどの給湯器でエラーが出たときは以下を参考に自分でできる対処法を試してみてください。
リモコンでリセットする方法
給湯器に出た710(71)のエラーは、本体のリモコンでリセットすることができます。
リセット操作の手順は簡単で、以下の流れで実施可能です。
【リモコンでリセットする手順】
1.給湯器の使用を中止してすべての運転を停止する
2.リモコンの電源をOFFにする
3.OFFになっていることを確認し、再度ONにする
4.一時的にエラーコード710(71)が消えるか確認する
5.エラーコードが消えた場合、エラーが起きたときと同じ運転や操作を使ってみる
6.問題なく給湯器が使えるか確認する
上記の手順でエラーコードがリモコンの画面から消えれば、問題なく使用できます。
リモコンのリセット後、再びお風呂のお湯張りや給湯を行ってみてください。
上記の方法でエラーコードが解消しない場合は、次の方法を試してみましょう。
本体の電源プラグを抜いてリセットする方法
給湯器本体の電源を抜くことでも、エラーの状況をリセットすることができます。
以下の手順を参考に、電源プラグを抜くことによるリセットを試してみてください。
【電源プラグを抜いてリセットする手順】
1.給湯器の電源プラグをコンセントから抜く
2.抜いたまま10秒ほど待機する
3.改めて電源プラグをコンセントに差し込む
4.エラーコードが消えていることを確認する
5.再び給湯器を使用し、問題なくお湯が出るか確認する
コンセントから直接プラグを抜くことでも、給湯器本体の電源はリセットできます。
リモコンでのリセットが上手くいかなかった場合には、少々手間がかかりますがこちらの対処法を試してみることがおすすめです。
ただし、「ガスのにおいがするとき」や「雨が降っているとき」などは、給湯器本体の電源を抜く対処法は絶対に行わないようにしてください。
ガスのにおいがするということは、給湯器に関係する部分でガス漏れが起きている可能性があります。引火などの危険があるので、近づかずに業者に点検を依頼しましょう。
また、雨が降っているときも、コンセントに接触することで感電などの危険があります。電源抜いての対処法を試すときは天候をチェックし、途中で雨が降らないようにタイミングを注意しましょう。
その他、見てわかる範囲で給湯器のプラグやコンセントに異常がある場合にも、独自で作業をせず自らの安全を最優先してください。
エラー表示が消えないまたは繰り返す場合は業者へ連絡を
上記の対処法を施しても、給湯器のエラーコードが消えない場合や、その後も繰り返しエラーを引き起こす場合には、専門業者への連絡がおすすめです。
プロの目で判断しなければならないトラブルが発生している可能性があるので、一度本格的な点検をしてもらう必要があるかもしれません。
給湯器の点検や修理依頼は、決して珍しいことではありません。
むしろトラブルが判明した段階で早めに業者に依頼することで、その後の大きな問題を先に解決することができます。
エラー表示の問題がなかなか解決しないときには、業者への連絡を行ってみましょう。
「710(71)」エラーの修理はどの業者に依頼する?
給湯器のエラーコード710(71)を修理するときには、以下の業者に依頼することが想定されます。
それぞれの特徴をチェックして、どの業者に依頼することが1番良いのかを考えてみてください。
ガス会社
ガス会社は東京ガスや大阪ガスなど有名な企業が多いため、初めてでも安心して依頼ができる点がメリットです。
点検して給湯器に問題があった場合、修理と交換の両方の道を考えることができます。
給湯器メーカー
ノーリツなどの給湯器メーカーも、名のある企業であるため依頼時の安心感が強くなるのが魅力です。
専用の部品を確保しているため、修理の際には迅速に対応してくれるのがメリットでしょう。
給湯器がメーカーの保証期間内である場合には、無料で点検や修理を行ってくれます。
まだ購入してから日が浅い給湯器の場合には、保証期間を確認してメーカーへの修理依頼がおすすめです。
給湯器販売・工事業者
なるべく修理費用を抑えたいときには、安価で依頼できる給湯器販売・工事業者がおすすめです。
さまざまなメーカーの給湯器を取り扱っているので、万が一修理ではなく交換が必要になっても、多くの選択肢から次の給湯器を選べます。
保証期間を過ぎている給湯器を使用している場合や、交換を視野に入れての依頼を行う場合には、交換給湯器販売・工事業者への依頼を検討すると良いでしょう。
「710(71)」エラーの修理費用の相場
710(71)のエラーが起きた給湯器の修理費用相場は、電装基盤部分のみの交換であれば合計で3万円前後の金額が想定されます。
そのあたりの金額を参考にして、修理依頼や見積もりをとってみましょう。
ただし、給湯器によって電装基板が1つのみのものと、別で電源基板やサブの基板といった構成が加えられているものがあります。
様々な部品に問題が発生していて、電装基板全体を交換する必要が出てくると、修理費用ももちろん高額になってきます。
その他、給湯器の修理依頼には、作業員を派遣したことに対して発生する「出張費」などの費用もかかることがあります。
事前に何に対していくら費用がかかるのかを確認することが、余計なトラブルを避けるコツです。
7年以上の給湯器なら交換も視野に
7年以上使用している給湯器の場合には、修理ではなく交換も視野に入ります。
一般的に使用から7年〜10年経過している給湯器は、寿命が近づいているためさまざまなトラブルを抱えることが多いです。
せっかく修理を行っても、別の部品が経年劣化によって破損し、またすぐに正常に使えなくなるリスクが高くなるでしょう。
トラブルが連続することを考慮するのなら、修理ではなく交換が推奨されます。
長期間使用している給湯器の場合、既に部品の製造が終了してしまい、部分的な修理対応ができないこともあります。
また、保証期間外であることも多くなるため修理費用も高くなり、結果的に交換した方がお得になることもあるでしょう。
710(71)のエラーコードをきっかけにして、思い切って修理ではなく交換を行うことも検討してみてください。
給湯器交換の費用相場
給湯器の交換費用相場は、交換先となる給湯器の機能などによって幅があります。
一般的には10〜40万円程度が、給湯器の交換における費用相場として考えられるでしょう。
給湯器の価格は、号数やサイズ、追い焚き機能の有無などによって相場が変わります。
また、給湯器の交換に合わせて種類を変更したり、設置方式を別の方式に変えたりすると、追加費用が発生することもあります。
給湯器の本体価格だけでなく、工事費も含めたトータルのコストを確認することがポイントです。
まとめ
給湯器のエラーコードである710(71)は、いくつかの原因によって引き起こされます。
すぐに対応しなければ危険、というタイプのトラブルではないため、とりあえずは安心してもらって大丈夫でしょう。
しかし、対処法を実施しても定期的にエラーが起きる場合には、トラブルが大きくなる前の点検や修理をご検討ください。
修理先として候補にしたい業者や、修理・交換の費用相場を確認し、必要な対応ができるように備えておくことをおすすめします。
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