給湯器から水漏れ!
原因と対処法、危険な場合の見分け方
原因を究明し必要な対処を行うことで、早期解決につなげることができます。
この記事では、ガス給湯器やエコキュートが水漏れしたときに考えられる原因とその対処法をご紹介します。
危険度の高い水漏れのケースもチェックしますので、万が一に備えて適切な対応が取れるようにしておきましょう。
給湯器から水漏れする原因とは?
給湯器から水漏れが発生しているときには、さまざまな原因が考えられます。
まずはよくある水漏れの原因をチェックし、心あたりがないか確かめてみてください。
給湯器水漏れ原因1. 経年劣化
長期間使用している給湯器の場合、経年劣化によって水漏れが発生している可能性があります。給湯器に使われているゴムパッキンが劣化すると、破損して水漏れを引き起こす原因となります。また、ナットも経年劣化によって緩みやすくなるため、水の勢いを止めきれず水漏れを起こす可能性があります。給湯器本体や付属するパーツを確認して、サビや破損などが見られないか確認してみてください。
一般的に給湯器の寿命は7〜10年程度で、使用年数が長くなれば劣化や不具合は発生しやすくなります。一方、新しい給湯器を設置して間もない時期に水漏れが発生した場合には、経年劣化以外の原因が考えられます。まずは給湯器の設置時期を参考に、水漏れの原因を考えることがポイントです。
基本的に経年劣化が原因の水漏れは、専門業者に依頼して該当箇所の修理や交換が求められます。しかし給湯器の使用年数が長い場合は、修理した後も別の箇所が劣化により不具合を起こす可能性があるため、給湯器本体を交換した方が結果的に費用を抑えられるケースもあります。
給湯器をDIYで直すことはできないので、分解などをして怪我のリスクを高めないように注意しましょう。
給湯器水漏れ原因2. 配管の凍結
給湯器の配管が寒さによって凍結すると、水漏れの原因になることがあります。配管の中に溜まっていた水が凍結することで、膨張して内部を圧迫し配管を破裂させてしまうことがあるのです。凍結による水漏れは、多くの場合配管内の凍った水が解凍される暖かい日に発覚するため、原因に気づきにくい傾向があります。特に劣化などが考えられず、数日内に急激な気温の低下があった場合には、配管の凍結を疑いましょう。
寒さが原因になることから雪国などの寒冷地で起きやすいトラブルに見えますが、寒い地域では配管に凍結防止の対策が取られているため、意外と寒冷地では起こりにくいトラブルです。むしろ寒さ対策が不十分なことが多い暖かい地域ほど、急な気温低下によって配管が凍結することがあります。
給湯器水漏れ原因3. 設置時の工事ミス
給湯器を設置する際の工事に何かしらのミスがあると、水漏れが起きることがあります。設置の際に行われる配管の取り付けが甘いと、隙間から水漏れしてしまうこともあるのです。新品の給湯器を設置したばかりなのに水漏れが起きてしまったときや、別の不具合を修理したら水漏れがはじまったという場合には、工事のミスが疑われます。
設置時の工事ミスが原因の場合、施工業者へ問い合わせれば無償で修理対応が行われるケースがほとんどです。異変に気づいた際には、設置工事を行った業者に速やかに連絡をし、改めて給湯器の状態を確認してもらいましょう。
給湯器水漏れ原因4. 水抜き栓からの水漏れ
給湯器の水抜き栓から水漏れしている場合は、問題のないケースがほとんどです。給湯器には本体内部の余分な水を排水する為「水抜き栓」がついています。一時的に水抜き栓から排水されているだけなら、正常な機能であるため特別な対応は必要ありません。
主に以下のような場合に、水抜き栓から水が出ることがあります。
・点検時に配管内の水を抜くため
・給湯器内部を減圧するため
・凍結防止のため
給湯器の点検を行う際には、配管内にある水を水抜き栓から抜く必要があります。この場合の排水は一時的なものですので、作業が終わっても水漏れが続くといったことは考えにくいと言えます。
給湯器には、給湯器内部の圧が高まった際に自動的に水抜き栓から水を排水し減圧する機能が備わっています。長期の旅行や帰省で給湯器を長い期間使用していなかった場合に、給湯器内部の圧が高くなり、水抜き栓から水漏れすることがあります。給湯器内の水が抜かれれば自然と配管内部も減圧され、水漏れの症状も収まります。
旅行などで長期間家を留守にする場合には、水漏れのトラブルを予測して事前に給湯器の水抜きを行っておくことがおすすめです。水を抜いておくことで万が一の凍結防止にもなるため、水漏れのリスクを軽減できます。水抜きの方法は、給湯器の取扱説明書などで確認しましょう。
また、真冬で気温が急激に下がった時には、凍結防止の為自動的に中の水を排水することがあります。水抜き栓からの排水は、本体から接続された配管内の水抜きおよび凍結防止はできません。凍結による配管の破裂等の恐れがある場合には、配管に保温材を巻きつけておくなどの凍結対策が必要です。
このように、給湯器の水抜き栓からの水漏れが一時的ですぐに解消されれば、故障ではありませんのでそのまま給湯器を使用できます。しかし、水抜き栓からの水漏れが長期間続く、大量の水が流れ出ているといった場合には、故障の可能性も考えられますので専門業者へ点検の依頼をしましょう。
給湯器水漏れ原因5. エコキュートの結露
エコキュートを使用している場合、結露によって水漏れが起きているように見えることがあります。エコキュートは周辺の空気中の熱を集めてお湯を作ります。取り込んだ空気は冷やされたあとに外部に排気されるので、ヒートポンプ周辺に結露が発生することがあるのです。「朝の時間帯にだけヒートポンプ周りに水漏れが起きている」というときには、結露水の可能性が高く問題のないケースがほとんどです。時間経過によって乾くことが確認できるのなら、特に対応は必要ないでしょう。
また、エコキュートも長期間使用しなかった場合、内部の減圧のために水抜き栓から水を排水することがあります。こちらの場合もガス給湯器と同様に、故障などの心配はありません。
一方で、エコキュートのヒートポンプ周りが常時濡れている場合には、配管や内部の部品が劣化して水漏れが発生している可能性があります。いつまでも水漏れが続く場合には、一度点検をすることがおすすめです。
給湯器から水漏れが止まらないときの対処法
給湯器からの水漏れの原因が長期間の未使用、水抜き栓からの排水、エコキュートの結露の場合には、そのまま使い続けても問題ありません。しかし、それ以外の原因が考えられる場合には給湯器を使い続けるのは危険ですので、いくつかの対応が必要になります。早急に対処法を確認し、安全を確保するようにしてください。
水漏れ対処法-ステップ1. 運転を停止する
給湯器の水漏れが止まらない場合には、まず給湯器の運転を停止します。お湯の使用中であっても、まずは安全を優先しリモコンの電源をOFFにしてください。
水漏れしている状態のまま使用を続けると、機器の劣化を早めることになり更なるトラブルに発展する可能性があります。それはより重大な事故につながることにもなり得るので、被害を最小限に抑えるためにもまずは運転の停止が最優先です。
水漏れ対処法-ステップ2. 水漏れ箇所を確認する
続いて給湯器の水漏れ箇所を調べて、正確に把握します。給湯器のどこから水漏れが起きているのかがわかれば、原因の特定に近づきます。修理を依頼する際にもスムーズに状況を伝えることができるので、可能な範囲で水漏れが発生している箇所をチェックしてみてください。
給湯器の水漏れ時にまず確認してほしいのは、本体のカバー下とパッキンの接続部分です。
比較的水漏れが起きやすい箇所になるので、まずはそのあたりを確認してみましょう。
注意したいのが、あくまで水漏れ箇所を確認するだけで、自分で修理をしないようにしてください。
給湯器に起きているトラブル内容によっては大きな危険が隠れていることがあるため、専門知識のない状態での作業はリスクが高くなります。
水漏れ対処法-ステップ3. 給湯器の元栓を締めて電源を落とす
水漏れの発生時には、給湯器本体の電源も落とし機能を完全に停止させます。
給湯器の給水元栓を締め、本体のコンセントを抜くか本体内部のブレーカーを落とすことで、電源を落としましょう。水漏れを一旦完全に止めることができます。
給水元栓の場所がわからない、普段使わないので固くなってしまいバルブが回せないといったときには、水道メーター付近の止水栓を閉めてしまいましょう。
水が完全に使えなくなってしまうため最終手段ではありますが、万が一に備え必要な手段です。
水漏れ対処法-ステップ4. 業者に連絡して修理の依頼をする
上記の対処を済ませたうえで、給湯器修理に対応している専門業者に点検・修理の依頼をしましょう。
前述のとおり、給湯器は簡単に修理することはできません。
作業内容によって専門の資格が必要となり、無資格で施工した場合には罰則の対象となる可能性もあります。
無闇に給湯器をいじると、水が電気系統に触れてショートしてしまい火傷をする危険性も考えられます。
最悪の場合、給湯器の不完全燃焼によって発生した一酸化炭素で命に関わる事故に繋がる危険もあります。
そういったリスクを排除するためには、まずは上記の対処法を実践して給湯器を安全な状態にした上で、専門の知識を持つ業者に依頼をしてください。
給湯器の水漏れを放置しておくのは危険
給湯器の水漏れの原因・状況によっては、そのままの状態で放置しておくことは大変危険です。
ときには周辺の家屋や自身の命をも巻き込む、重大な事故につながる恐れも考えられます。
実際にどのような危険があるのかを、以下で解説します。
一酸化炭素中毒に繋がる恐れがある
給湯器の水漏れ時にもっとも危険なのが、一酸化炭素中毒です。
水漏れの症状が給湯器の内部で発生していると、水を温めるためのバーナーの火が不完全燃焼を起こして、一酸化炭素を発生させます。それは人体に悪影響を及ぼすことはもちろん、密閉された空間にいれば一酸化炭素中毒によって命に関わる重大事故につながるでしょう。
一酸化炭素中毒は自覚症状がほとんどないため、気づかないうちに危険な状態に陥ってしまうこともあります。においもなく、色のついた煙が出るようなこともないため、一酸化炭素を感知することは非常に難しいです。「とりあえず使えるからそのままにしておこう」という放置対応は、自分や家族を一酸化炭素中毒のリスクにさらすことになります。
ガス給湯器などは屋外に設置するものが多いため、密閉状態にならないから一酸化炭素中毒にはなりづらいと思われるかもしれません。しかし、浴室などの窓を開けて給湯器の排気ガスが入り込むなど、一酸化炭素中毒のリスクを招くパターンは多々あります。
どのような設置環境でも給湯器の水漏れが発生したときには、一酸化炭素中毒の可能性があることを念頭に置いて対処していく必要があるでしょう。
電気系統にかかってショートする可能性がある
給湯器の水濡れは、電気のショートを引き起こす可能性もあります。
水漏れが起きているということは、通常は水がかからない箇所にも水が入り込む可能性があるということです。給湯器の電気系統に水がかかれば、ショートや漏電のリスクがあります。
漏電は感電事故につながる可能性があり、給湯器を安全に使うことが難しくなります。ショートが原因で火災が発生することも考えられるので、命に関わる事故に発展する恐れもあり大変危険です。
万が一の事故を考慮し、給湯器に水漏れが発生したときには直ちに使用を中止し、本体の電源を速やかに落としましょう。
給湯器の水漏れ修理はどこに依頼する?
給湯器の水漏れを修理はする際には、いくつか依頼先が考えられます。
一般的には「給湯器販売・修理業者(水道業者)」「給湯器メーカー」「ガス会社」といった、専門業者のなかから選択することになるでしょう。
各業者にはそれぞれ特徴があり、対応スピードや保証サービスなども異なります。
納得のいく業者に依頼できるよう、公式ホームページ等を確認して比較してみましょう。
水漏れトラブルは緊急対応が求められるトラブルですので、営業時間や駆けつけスピードの速さは重要な基準となります。また、これを期に給湯器交換を検討される方は、各給湯器メーカーの製品を豊富に取り揃えているかどうかも大事なポイントとなるでしょう。
業者によって保証サービスの内容も異なるので、長期に渡り使用する給湯器を購入する際には、保証サービスの充実度もしっかりチェックしましょう。
業者選びのポイントについて、詳しくはこちらの記事を参考にしてみてください。
賃貸にお住まいの場合には、自分で業者を探す前にまずは大家さんや管理会社に連絡を取る必要があります。
賃貸契約において、経年劣化などによる給湯器トラブルの修理は、大家さんや管理会社が負担するケースがほとんどです。
修理業者の選択も大家さんや管理会社が行うことが一般的ですので、賃貸物件にお住まいの方は、さきほど紹介した初期対応を行った上で、大家さんや管理会社へ連絡しましょう。
給湯器の水漏れは修理か交換か?
給湯器の水漏れ発生時には、修理か交換の対応が求められます。できることならコストを抑えて修理で済ませたい、と考える方も多いでしょう。しかし、修理でなく交換を選択した方が良いケースもあります。
修理か交換かの判断基準は、給湯器の使用年数がポイントとなります。給湯器の購入・設置から10年以上経っている場合、修理に必要な部品が確保できないことがあります。その場合は修理ではなく、交換の対応が必要になるでしょう。
また、古い給湯器は仮に今回の水漏れ原因を解消できたとしても、別の不具合を引き起こす可能性が高くなります。そうなれば再び修理が必要となり、手間と費用が発生します。コストパフォーマンスが悪くなるため、給湯器の状況によっては修理できるとしても交換した方がメリットが大きくなることがあることも覚えておいて下さい。
一般的に給湯器の耐用年数は、7〜10年程度になります。水漏れが起きたときは、設置してからどれくらいの期間が経過しているのかをチェックしてから検討することをおすすめします。
給湯器水漏れ修理の費用相場
給湯器の水漏れ修理にかかる費用は、症状や修理内容により異なります。正確な費用を知るには、実際に給湯器を点検してもらって見積もりする必要があるでしょう。より費用を抑えたい場合は、相見積もりをすることもおすすめです。
給湯器の水漏れ修理にかかる費用相場は、作業料金に加え部品代や出張料などが発生し、実際の総コストとして計算されます。使用年数の長い給湯器の場合は、故障箇所や必要な対応が増える可能性があるため、修理費用は高くなる傾向があります。
まとめ
給湯器の水漏れが発生した場合、速やかに原因を突き止めて必要な対処を行う必要があります。
こちらを参考に、考えられる水漏れ原因と、必要な対応を確認しておきましょう。
水漏れは給湯器の使用中にはよくある事例であると同時に、危険性を含んでいる症状でもあります。
軽視することなく、万が一に備えて適切な対処を行うようにしてください。
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