【解説】給湯器エラー「121(12)」の主な症状と原因、対処法
給湯器が緊急停止するということは、安全装置がきちんと作動しているという証拠なので、慌てる必要はありません。
また、「121(12)」のエラーは自宅でできる対処法が比較的多いエラーなので、故障や劣化が原因でなければ自力で直すことができます。
今回は「121(12)」のエラー主な症状と原因、対処方法について詳しく説明していきます。
お湯が出なくて困っている方は、ぜひ参考にしてください。
給湯器のエラーコード「121(12)」とは何のエラー?
給湯器のリモコンに「121」や「12」というエラーコードが表示されたときには、何らかの原因によってガスの供給がストップして点火不良を起こし、緊急停止している状態です。
エラーの名称はメーカーによって異なりますが、エラーの内容や原因、対処法などには大きな違いはありません。
ノーリツ:給湯立ち消え安全装置作動
リンナイ:給湯途中失火
パロマ:給湯立ち消え安全装置作動、給気汚染異常
パーパス:給湯失火、給気汚染異常
どの名称からも、給湯が途中で止まってしまったことがわかります。
すぐ修理しないと危険な状態なの?
冒頭に書いたように「121(12)」のエラーが表示されるということは、給湯器の安全装置がしっかりと作動しているという証拠です。ガス漏れやガス爆発などの事故を起こす危険性はないので、まずは安心してください。
「121(12)」は一時的なエラーであることが多いため、自宅で適切な対処をすればお湯が出るようになります。しかし、部品故障や給湯器の劣化が原因でエラーが出ている場合には、修理や交換をするまでお湯は使えません。
お湯が出ないと非常に困るので、危険性はなくとも緊急性は高いでしょう。
よく似ている「111(11)」との違い
「121(12)」と似たエラーに「111(11)」というエラーがあります。2つのエラーの共通点は、どちらも「お湯が出なくなる」という点です。症状がとてもよく似ているので、「なにが違うの?」と疑問に思いますよね。
「121(12)」と「111(11)」の違いは、お湯が出なくなるタイミングです。
「121(12)」のエラーは、お湯を出している途中で点火不良を起こして緊急停止するため、突然お湯が出なくなります。対して「111(11)」のエラーは初めから点火不良を起こしているので、給湯器のリモコンを入れた直後にエラーコードが表示され、お湯を出すことができないのです。
どちらのエラーも給湯器機能に不具合が起こっていることには変わりありませんが、少しだけ症状が異なります。
111(11)エラーについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。
「121(12)」エラーが出ている時の症状
先述したように、「121(12)」のエラーが出ているときには、お湯を出している途中でお湯が突然出なくなります。
「シャワーを浴びているとき、始めはお湯が出ていたのに突然水になった」「キッチンでお湯を使っていたのに、突然水が出始めた」などの症状が出ます。始めはお湯が使えていたのに、突然お湯が出なくなることが、「121(12)」エラーの特徴です。
「121(12)」エラーの原因
ここまでは「121(12)」エラーの危険性や症状について説明してきました。給湯器が点火不良を起こして緊急停止してしまったときに考えられる原因は、以下の5つです。
・ガス切れまたはガスの遮断
・大雨や台風による影響
・給湯器の凍結
・異物が吸排気口を塞いでいる
・給湯器の故障や劣化
それぞれ詳しくみてみましょう。
ガス切れやガスの遮断
「121(12)」のエラーが表示されたときに始めに考えられるのが、ガス切れやガスの遮断です。
ガスの遮断は、以下のような場合に起こります。
・供給支障によってガス自体が止まった
・ガスメーターがガスを遮断した
・ガスメーターコックまたはガス栓が閉まった
・ガスの供給圧量が低下した
・ガス料金を滞納している
また、プロパンガスを使用している家庭では、ガスボンベの残量が少なくなったときにも「121(12)」が表示されることがあります。そして、見落としがちな原因は「ガス料金の滞納」です。ガス料金の支払いが滞ると、ガスの供給が停止されるので、支払いがきちんとできているかも確認しておきましょう。
大雨・台風などの影響
大雨や台風などの影響によっても、「121(12)」のエラーが表示されることがあります。
豪雨によって給湯器内の湿度が一時的に高くなり、点火ができなくなったり点火しづらくなってしまうのです。また、強風によって落ち葉や埃、異物などが飛来して排気口が物理的に塞がれている可能性もあります。
冬場の給湯器の凍結
冬場には、給湯器内部や配管類の凍結によっても「121(12)」のエラーが起こる可能性があります。
給湯器の凍結は外気温「マイナス15度以下」で起こることが多いので、マイナス15度を下回る日にお湯が出なくなったのなら凍結が原因かもしれません。ただし、給湯器が住宅の北側や日陰、風当たりのいい場所に設置されている場合には、マイナス15度以下でなくとも凍結する可能性があります。
「氷を溶かせば使える」と思うかもしれませんが、焦って熱湯をかけると配管が破裂してしまう恐れがあるため、絶対に熱湯やお湯をかけないでください。
給排気口を塞いでいる
給湯器は給排気口が異物によって塞がれてしまうと、給排気がうまくいかなくなり、給湯が緊急停止される仕組みになっています。給排気口を塞ぐ異物には、以下のようなものが挙げられます。
・落ち葉
・蜘蛛の巣
・埃
・ビニール
・ダンボール
給湯器の給排気口を掃除していない場合には、落ち葉や蜘蛛の巣、埃などによって給排気口が塞がれている可能性があります。また、ビニールやダンボールなどを給湯器の近くに置くと、うまく給排気ができないことがあるので、給湯器付近を確認してみてください。
給湯器の故障
最後に考えられるのが、給湯器の部品の故障や劣化です。「121(12)」のエラーが表示されているときには、以下の部品の故障や劣化が考えられます。
・給湯器内部のガスノズル、電磁弁
・火の検出センサー
また、給湯器の設置から7年以上経過している場合には、給湯器本体の「寿命」がきている可能性があります。いずれにせよ、故障が原因で「121(12)」が表示されているのなら、業者による修理や交換が必要になるので、まずは業者に点検依頼をしてください。
「121(12)」エラーが出た時の対処法
「121(12)」のエラーは自宅での対処法が比較的多いエラーです。対処法には以下のような方法が挙げられます。
・給湯器をリセットする
・ガス自体に問題がないか確認する
・自然に復旧するのを待つ
・給排気口周辺を掃除する
それぞれ詳しく説明します。
給湯器をリセットする
一時的なエラーの場合にはリセット作業をすればエラーが解決されるので、まずは給湯器をリセットしてみましょう。
1. 給湯器の運転はすべて停止する
2. リモコンの運転スイッチを切る
3. リモコンの運転スイッチを入れる
4. エラーが消えているか液晶画面を見て確認する
5. お湯を出してみる
ガスに問題がないかを確認する
給湯器をリセットしても復帰しない場合には、ガスに問題がないかを確認しましょう。ガスメーターを確認してみて、ランプが点灯している場合にはガスが遮断されているので、以下の方法で復帰作業をしてください。
1. すべての器具栓とガス栓を閉じ、ガス器具を止める
2. ガスメーターの左側にある復帰ボタンを奥までしっかりと押す
3. 1〜2分程度待つ
4. ランプの点滅が消えたら、ガスが使えるか確認する
復帰作業の詳しい手順は、ガスメーターの取扱説明書やガス会社のホームページでもご確認いただけます。
プロパンガスの場合には、ガス切れや残量不足によって停止している可能性があります。ガスボンベの残量を確認して、切れていたり残量が少なかったりしたら、ガス会社に連絡をしてボンベを交換しましょう。
天候の回復と給湯器の復旧を待つ
天候が原因で「121(12)」のエラーが出ているときには、復旧を待つのが一番です。
無理に対処しようとせず、自然に回復するのを待ちましょう。天候が回復したあとには、リセット作業をすればエラーが解消されます。
給排気口周辺の障害物や汚れを取り除く
排気口に異物が詰まっていたり近くに障害物があったりするときには、掃除して取り除きましょう。
蜘蛛の巣や埃を見つけたら、小さいほうきを使って汚れを払い、最後に雑巾で拭き取ってください。周辺に落ち葉やゴミが落ちていたら、しっかり取り除きましょう。給排気口にもしススがついていたら、内部で不具合が起こっている恐れがあるので業者に相談してください。
掃除後にはリセット作業を行ってから、お湯が出るか確認しましょう。
エラーが消えないまたは故障が疑われる場合は業者へ相談を
自宅でできる対処法を試してもエラーが解消されないときや、何度もエラー表示を繰り返す場合には、故障が疑われます。無理に自力で直そうとせず業者に修理・点検依頼をしてください。
「121(12)」エラーの修理はどの業者に依頼する?
給湯器の故障が疑われる場合には、「ガス会社、給湯器メーカー、給湯器販売・工事業者」のいずれかに依頼することになります。
安心感を重視する方や業者調べの手間を省きたい方は、「ガス会社、給湯器メーカー」のどちらかに相談してみてください。ガス料金明細や給湯器本体を見れば連絡先がわかるので、すぐに相談することができます。
価格やアフターサービスの手厚さを重視する方は「給湯器販売・工事業者」がおすすめです。給湯器の交換が必要になった際にも、選べる製品の幅が広く、ガス会社やメーカーと比べて費用を抑えることができます。
「121(12)」エラーの修理費用の相場
「121(12)」エラーの修理費用の相場は以下の通りです。
・点検:5,000〜8,000円程度
・簡単な部品交換:6,000〜12,000円程度
・電磁弁の交換:15,000〜25,000円程度
・電装基盤の交換:25,000〜50,000円程度
部品の交換でエラーは解消できますが、給湯器の寿命が近づいている場合には、修理をしてもすぐに他の部分が故障してしまう恐れがあります。給湯器の寿命は10年程度なので、もし設置から7年以上経過しているのであれば、交換も視野に入れておきましょう。
まとめ
「121(12)」のエラーの原因は、ガスの供給停止による点火不良です。点火不良を起こす原因には、以下のようなものが挙げられます。
・ガス切れまたはガスの遮断
・大雨や台風による影響
・給湯器の凍結
・異物が吸排気口を塞いでいる
・給湯器の故障や劣化
そして、自宅でできる対処法は以下の通りです。
・給湯器をリセットする
・ガス自体に問題がないか確認する
・自然に復旧するのを待つ
・給排気口周辺を掃除する
「121(12)」のエラーは自宅でできる対処法が比較的多いエラーです。これらの対処法を試してみてもエラーが解消されないときには、故障や劣化が考えられるため、速やかに業者に点検依頼をしてください。
給湯器の設置から7年以上経過している場合には、交換が必要になる可能性もあるため、交換も視野に入れながら業者選びをしましょう。
- 北海道
- 宮城県
- 山形県
- 福島県
- 新潟県
- 富山県
- 石川県
- 福井県
- 長野県
- 茨城県
- 栃木県
- 群馬県
- 山梨県
- 埼玉県
- 千葉県
- 東京都
- 神奈川県
- 岐阜県
- 静岡県
- 愛知県
- 三重県
- 滋賀県
- 京都府
- 大阪府
- 兵庫県
- 奈良県
- 和歌山県
- 岡山県
- 広島県
- 島根県
- 山口県
- 愛媛県
- 香川県
- 福岡県
- 佐賀県
- 長崎県
- 熊本県
- 大分県
- 鹿児島県