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【解説】給湯器エラー「920・930」の主な症状と原因、対処法:イメージ

【解説】給湯器エラー「920・930」の主な症状と原因、対処法

更新日:2023/08/31
  • エラーコードが消えない
  • 給湯器の不具合を専門家に見てほしい
  • すぐにお湯が使えるようにしてほしい
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「普段通り給湯器は使えるのに、920というエラーが表示されている」「930のエラー表示がされていて給湯器が使えない」といった症状があるときには、給湯器内の「中和器」に問題があります。

「920」のエラーは中和器の寿命が近づいていることを、「930」のエラーは中和器が寿命を迎えて使えないことを通知しています。
火災や事故が起こるようなエラーではありませんが、給湯器が使えなくなる、または使えない可能性が高いので早急に修理依頼が必要です。

今回は「920・930」のエラーの原因や対処法、修理依頼について説明します。
目次 [非表示]

給湯器エラー「920・930」とは何のエラー?

冒頭にも記載した通り、給湯器に「920」や「930」というエラーコードが表示されたときには、給湯器内部にある「中和器」の寿命が近い、または寿命を迎えている状態です。

中和器は給湯器の「エコジョーズ」シリーズに組み込まれている部品で、「ドレン水」を中和する役割があります。中和器のしくみについては後ほど詳しく記述します。

「920・930」のメーカーごとのエラー名称は異なりますが、エラー内容は同じです。「920」のエラーは、中和器の寿命が近づいていることを通知しています。

ノーリツ:中和器寿命予告(警告表示)
リンナイ:中和器寿命警告表示
パロマ:中和剤減少報知
パーパス:中和器交換警告

一方で「930」のエラーは、給湯器が寿命を迎えていることを知らせるエラーです。どのメーカーのエラー名称からもわかるように、このエラーが表示されたときにはすでに中和器が使えない状態になっています。そのため、エラーが表示された時点で中和器の修理または交換が必要です。

ノーリツ:中和器寿命
リンナイ:中和器寿命告知(機器停止)
パロマ:中和剤交換時期報知
パーパス:中和器寿命交換

すぐ修理しないと危険な状態なの?

「920・930」のエラーには怪我や火災などの危険性はありません。
「920」のエラーが表示されているときには、寿命を迎えるという「通知」なので通常通り給湯器を使うことができます。920のエラーは余裕を持って表示されるので、エラー表示後もしばらくは給湯器を使うことができるでしょう。

しかし「920」から「930」のエラーに表示が変わったときにはすでに中和器が寿命を迎えている状態なので、給湯器はまったく作動しなくなってしまいます。

「エラー表示されているけどお湯が出るから問題ない」と、修理や交換をしないまま使い続けていると給湯器が急に使えなくなります。お湯が出ない生活は非常に不便ですよね。給湯器が使えたとしても、「920」のエラーが表示された時点で修理依頼をすることをおすすめします。

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「920・930」エラーが出ている時の症状

「920」のエラーは中和器の寿命が近づいていることを通知する表示なので、「お湯が出ない・お湯はりができない」といった不具合が出ることはまずありません。そのためリモコンにエラー表示がされていても、普段通り給湯器を使うことができます。

対して「930」のエラーが表示されたときには、中和器がすでに使えなくなったという表示です。中和器が使えないと給湯器を作動することはできないので、お湯はもちろんのこと、お湯張りや追い焚きなどの給湯機能はすべて停止してしまいます。

「920・930」エラーの原因

「920・930」のエラーは中和器の寿命が近づいている、または寿命を迎えたことを通知するエラーです。そのため、エラーの原因は「中和器」にあります。

そもそも「中和器ってどんな部品?」と疑問に思いますよね。ここでは中和器がどんな部品で、どのような役割を担っているのかを説明します。

中和器はエコジョーズをはじめとした、「エコタイプ」の給湯器に搭載されている部品です。そのため、エコ機能の備わっていない従来型の給湯器には組み込まれていません。

エコジョーズには「二次熱交換器」という部品が搭載されており、従来型の給湯器では捨てられていた排気ガスを捨てずに取り込み、その熱も使うことで効率よくお湯を作っています。排気熱を再利用するときには、給湯器内で「ドレン水」という水滴も同時に発生します。水滴を給湯器内に放置しておくわけにはいかないので、外に排出しなければなりません。

しかしドレン水は強酸性の液体なので、排水時に排水管を溶かしてしまう恐れがあります。安全にドレン水を排出するためにも、ドレン水を強酸性から中性に中和させる作業を給湯器内で行わなければなりません。

そこで重要になるのが中和器です。中和器のなかには炭酸カルシウムでできた「中和剤」が入っており、中和器を通すことでドレン水を中和して無害の中性水にしてから排出しています。そのため中和器が使えなくなってしまうと排水ができなくなり、給湯器が使えなくなってしまうのです。

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「920・930」エラーが出た時の対処法

前述したように「920・930」のエラーは中和器の寿命を通知するエラーなので、エラーを解決できる方法は修理または交換以外はありません。中和器を自分で交換することも難しいので、自宅で対処できることは、エラー表示を一時的に非表示にする「リセット」のみです。

給湯器のリセットには、リモコンで行う方法と電源プラグを使って行う2つのリセット方法があります。それぞれみていきましょう。

まずはリモコンで行うリセット方法の手順を説明します。

1. 給湯器の運転をすべて停止する
2. リモコンの運転スイッチを切る
3. リモコンの運転スイッチを再度入れる
4. 液晶画面のエラーコードが非表示になっているか確認する

次は電源プラグで行うリセット方法の手順をみてみましょう。

1. 給湯器の運転をすべて停止する
2. 給湯器本体の下にある電源プラグ(コンセント)を抜く
3. 電源プラグを再度差し込む
4. 液晶画面のエラーコードが非表示になっているか確認する

プラグによっては抜け防止のために、引き抜く際にプラグを回さなければいけないことがあります。無理矢理引き抜くとプラグが壊れてしまうので、抜き方を確認してからプラグを抜きましょう。

また、電源プラグでリセット作業を行うときには、以下のことに注意してください。

・雨や雪が降っている日には作業をしない(感電の恐れがあるため)
・時計をはじめとした設定項目もすべてリセットされる

リモコンや電源プラグを使って給湯器をリセットすれば、エラーコードは非表示になります。しかし、根本的な原因を解決したわけではないので、何度もエラー表示を繰り返すでしょう。中和器が寿命を迎えて「930」が表示されると給湯器が使えなくなってしまうので、速やかに修理依頼をしてください。

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給湯器エラー「920・930」の修理に対応している業者

「920・930」のエラーが表示されたときには、修理依頼が必要だと説明してきました。けれど「どこに修理依頼をしたらいいんだろう」と悩まれると思います。給湯器が故障したときには「ガス会社、給湯器メーカー、給湯器販売・工事業者」のいずれかに修理依頼をしましょう。

それぞれ特徴やメリット、デメリットが異なるので詳しく説明していきます。「安心感、対応力、価格」なにを重視するのかによって、依頼先を考えてみてください。

ガス会社

まず「ガス会社」は、普段から私たちの住宅にガスを届けている会社です。「◯◯(県名)ガス」という会社名なので、聞き馴染みがあると思います。
ガス会社のメリットは、普段から関わりのある会社なのでなんといっても安心感があることです。また、連絡先もガス請求書を見ればすぐに知ることができるので、連絡先を調べる手間も省けます。

一方で、給湯器の修理や交換費用が高額になりやすいことがデメリットです。
安心感を求めて修理や交換依頼をする顧客が多く、市場競争に巻き込まれていないからです。また、扱っている給湯器の機種も限られているので、対応力も高いとは言えません。「とにかく安心感が優先」と考える方は、ガス会社に相談してみてください。

給湯器メーカー

次に「給湯器メーカー」というのは、給湯器の機器を作っているメーカーのことで、日本では「ノーリツ、リンナイ、パロマ、パーパス」などのメーカーが代表的です。給湯器メーカーに依頼するときのメリットには、安心感や対応力の高さが挙げられます。部品交換が必要になったときにも、他の業者に比べて部品調達が早いこともメリットと言えるでしょう。

しかし、ガス会社と同様に修理や交換費用が高額になりやすいことがデメリットです。また、給湯器の交換が必要になった際にも、依頼するメーカーの製品のなかから機器を選ぶことになるため、選択肢が狭まってしまいます。「安心感と対応力が大切」と考えている方は、給湯器に記載してある問い合わせ番号からメーカーに連絡をしてみてください。

給湯器販売・工事業者

最後に「給湯器販売・工事業者」というのは、給湯器の修理や販売を行い、さまざまなメーカー製品を取り扱っている業者です。ハウスラボホームも「給湯器販売・工事業者」に含まれます。給湯器販売・工事業者のメリットは、ガス会社や給湯器メーカーに比べて、修理や交換費用を抑えられることです。

給湯器販売・工事業者は業者数がとても多く、市場競争に巻き込まれています。そのため、価格を安くしたりアフターサービスを手厚くしたりするとこによって、顧客を獲得しているのです。また、さまざまな給湯器メーカーの製品を扱っているため、「色々な種類の中から選びたい」という方にも適しているでしょう。

安いからといって悪いわけではありませんが、あまりにも格安を謳っている業者には注意が必要です。給湯器販売・工事業者に依頼するときには、自分で信頼できる業者を見つけなければならないため、ガス会社や給湯器メーカーに依頼するときと比べて、手間がかかってしまうことがデメリットです。

「色々な種類の中から選びたい」「価格が重要」と考えている方は、給湯器販売・工事業者に相談してみてください。

給湯器エラー「920・930」の修理費用の相場

「920・930」の修理費用の相場は、「10,000円〜20,000円」前後です。(出張費、作業費、部品代含む)

作業時間の目安は30分〜1時間前後なので、すぐに修理することができます。

7年以上の給湯器なら交換も視野に入れて

「920・930」のエラーは中和器を修理または交換すれば解決できることができます。しかし、給湯器の寿命は「10年」前後なので、設置から年数が経っているとほかの部分にも異常が出てくる可能性が高いです。もし給湯器の設置から7年以上経過しているのであれば、交換も視野に入れてみてください。

給湯器は毎日使うものなので、安心して使いたいですよね。

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まとめ

「920・930」のエラーが表示されているときには「中和器」の寿命が近づいている、または寿命を迎えたことの通知であることがわかりました。

「920」が表示されている時点では、故障や異常があるわけではないので普段通り給湯器を使うことができます。しかし「930」の表示になると中和器が使えない状態なので、同時に給湯器もまったく使えない状態になり、お湯を出すことはできません。

急に給湯器が使えなくなるととても不便なので、「920」のエラー表示がされた時点で修理依頼をしておきましょう。
依頼をするときには「安心感、対応力、価格」なにを重視するのかによって、「ガス会社、給湯器メーカー、給湯器販売・工事業者」のどの業者に依頼するのか考えてみてください。

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