マンションの給湯器交換にかかる費用は?安く交換するコツも解説
この記事では費用の相場や安く交換するコツなど、マンションの給湯器交換に関する基本的な事柄をわかりやすく解説します。給湯器を交換する際の参考になさってください。
マンションの給湯器交換の費用相場
マンションの給湯器交換の費用相場は、本体・リモコン・工事費用を含めて14万円~28万円ほどです。内訳としてはリモコン代が20,000円ほど、工事費用が40,000~50,000円ほどかかります。
費用に幅があるのは、設置する給湯器の種類によって大きく費用が変わるからです。例えば、追い焚きなしの給湯器なら比較的安価ですが、フルオートタイプの給湯器は費用が高くなります。ガスを節約して効率的にお湯が沸かせる「エコジョーズ」は交換費用がさらに高く、相場は15万~38万円ほどです。
近年は世界的な半導体不足によって本体の値段が上昇しているため、費用の相場が上がりつつあります。そのため、実際の見積もり金額が相場を超える場合もあります。
マンションの給湯器交換費用は誰が払うか
給湯器の交換費用を誰が負担するかは、お住まいの物件が賃貸か分譲かによって異なります。ここからは賃貸と分譲に分けて費用の負担者について解説します。
賃貸の場合
賃貸の物件では、借主(居住者)に過失のない通常の使用や経年劣化で給湯器が使えなくなった場合は原則として貸主(大家)が交換費用を負担します。借主の過失で給湯器が壊れた場合は借主の負担です。
借主の過失でなければ貸主が修繕費用を負担することは民法606条1項によって以下のように定められています。
賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。ただし、賃借人の責めに帰すべき事由によってその修繕が必要となったときは、この限りでない。
引用元:民法 | e-Gov法令検索
修繕の内容には故障した給湯器の交換も含まれています。しかし、賃貸借契約書に給湯器の交換費用などを借主が負担すると特約がある場合には借主の負担になります。
しかし特約がない場合でも、貸主が費用を払うべきだと認識していない貸主もおり、すんなりと費用を負担してもらえないケースもあります。また、貸主に給湯器の交換を任せていると時間がかかりすぎる場合もあるので、自分で費用を負担する人もいます。
いずれにせよ、賃貸のマンションで給湯器を交換する際には、交換が必要な旨を管理会社に伝えるついでに、費用負担に関して明らかにしておくのがよいでしょう。
分譲の場合
分譲の物件では給湯器は居住者のものなので、交換費用は居住者が払います。しかし、居住者のものだからといって勝手に給湯器を交換してよいわけではありません。マンションによっては規約などが存在する場合もあるので、管理会社への連絡が必要です。
給湯器交換を行う際には規約を確認した後で依頼をするようにしてください。
マンション・集合住宅向け給湯器の種類
マンション・集合住宅向けの給湯器は複数の種類があります。給湯器の種類が分かっていると、今どのような給湯器を使っているかや、どの給湯器に交換したらいいかがわかるようになります。ここからは給湯器の種類について、設置タイプと機能の面から解説します。
設置タイプ
給湯器の設置タイプは、PS(パイプスペース)設置タイプとベランダ壁掛設置タイプに分かれます。給湯器交換では、ほとんどの場合今使っているのと同じ設置タイプの給湯器と交換します。それぞれの設置タイプについて詳しく解説します。
PS設置タイプ
PS設置タイプは玄関脇にあるパイプシャフト(またはパイプスペース)に設置されている給湯器です。PS設置タイプの給湯器は排気の仕方が何種類かあり、設置場所に合わせて排気の仕方を選ぶ必要があります。
排気口の種類によっては、同じ号数(給湯能力)の給湯器しか設置できないなど、選べる給湯器に制限がつきます。PS設置タイプだと号数を大きくする交換は難しいケースが多いです。
ベランダ壁掛設置タイプ
ベランダ壁掛設置タイプはベランダの壁に固定されている給湯器です。狭い空間でも設置できるスリムタイプも普及しており、交換する際には基本的に同じサイズの給湯器と交換します。また、窓との距離や部屋の階数によっては、強風に耐えられる給湯器を設置する必要があります。
機能
機能面に着目すると給湯器は給湯専用、ふろ給湯器、給湯暖房熱源機に分かれます。それぞれ詳しく解説します。
給湯専用
給湯専用は、その名の通り給湯のみができる給湯器です。自動お湯はり機能などはなく、お風呂にお湯を入れる場合は蛇口を手動で開いてお湯を入れます。機能がシンプルな分、交換費用が安いのが特徴です。
ふろ給湯器
ふろ給湯器は自動でお湯はりができ、追い焚きもできます。お湯はりが自動の「オートタイプ」とお湯はりに加えて足し湯や追い焚き配管の洗浄も自動の「フルオートタイプ」があります。交換費用は給湯専用タイプと比べてやや高めです。
給湯暖房熱源機
給湯暖房熱源機は、自動お湯はり、追い焚きの機能があるほか、「浴室暖房乾燥機」や「床暖房」などの温水暖房機器に接続できます。交換費用は高いですが、日頃から便利に使えます。
マンションでの給湯器交換の注意点
マンションでの給湯器交換を自己判断で行うとトラブルになります。注意点を踏まえて管理会社と連携しながら動くことが重要です。ここからはマンションでの給湯器交換の注意点を解説します。
管理会社に連絡する
給湯器を交換するときは管理会社への連絡が必要です。なぜなら、マンションごとの規約によって交換できる給湯器の機種や工事できる範囲が決まっている場合があるからです。
また、他の住民になるべく迷惑をかけないよう、施工日の調整が必要な場合もあります。工事の前に申請書を出すよう規約を設けているマンションもあるので、申請書を出す必要があるかも確認が必要です。
賃貸の場合は、管理会社が交換業者の手配をするため、勝手に業者に依頼するのは禁物です。管理会社と連絡を取りながら日程の調整などを行いましょう。
分譲の場合は、自分で交換業者に依頼します。しかし、設置できる給湯器の種類や号数には規定がある場合もあるので、やはり管理会社に規定の有無を確認する必要があります。
今使っている給湯器の種類などを把握する
今使っている給湯器の種類を把握していると、業者がスムーズに対応できるため交換の日程が早まる場合もあります。また、給湯器が故障したならどのように故障したかをまとめておくと、業者に相談しやすくなります。
マンションに合った給湯器を選ぶ
お住まいのマンションによって、交換できる給湯器はおおむね決まっています。お住まいのマンションに合わない給湯器を選ぶと、設置ができなかったり、設置できたとしても追加工事が必要になったりします。
今ある給湯器の設置場所やスペース、排気口、号数などを確認して、物件に合った給湯器を選びましょう。マンションの規約で設置できる給湯器の指定がある場合は、規約に従ってください。わからなければ管理会社に問い合わせてみましょう。
また、給湯器の色についても注意が必要です。マンションによっては景観を維持するために給湯器の色を指定している場合があります。特注で給湯器の色を変えると納期が延びる場合があるので、スケジュールとの相談が必要です。
工事時間を確認する
業者に給湯器の交換を依頼する際には、交換にかかる時間を聞いておきましょう。交換にかかる時間は2時間から半日ほどです。簡単な工事だけで交換できる場合は早く終わりますし、エコジョーズへの切り替えなど複雑な工事が必要な場合は工事の時間が長くなります。
給湯器を安く交換をするコツ
給湯器の交換にはそれなりの費用がかかりますが、なるべく余計な費用が発生しないようにしてお得に交換する方法もあります。ここからは給湯器を安く交換をするコツを解説します。
修理の検討もする
今の給湯器を使いはじめてから8年以内なら修理の検討もしてみましょう。8年以内ならメーカーに部品が残っている可能性があるからです。同じタイプの給湯器と交換するよりも、修理した方が安く済みます。
10年ほど経つと、メーカーの部品保有期限が切れていたり、修理の方が高くついたりするようになります。給湯器を使用している年数に合わせて、修理するか交換するか判断してください。
複数の業者から見積もりを取る
交換業者から見積もりを取る時は、必ず複数の業者から見積もりを取りましょう。複数の業者を比較しないと、どの業者が安いのか分からないからです。
とはいえ、交換費用だけ見て業者を選ぶのは禁物です。安さによって保証や工事のクオリティが犠牲になっている場合もあるからです。依頼する業者は保証期間や施工実績などを総合的に見て選びましょう。
追加費用の有無を確認する
見積もりを取ったら追加費用の有無を確認しましょう。隠れた追加費用があると、思っていたよりも多く費用がかかってしまいます。たとえば、リモコン代が見積もりされた金額とは別に必要になるケースもあります。
内訳がわかりやすい業者を選ぶのが一番ですが、見積もりの内容に不明点があれば業者に聞きましょう。特に「諸経費」などと書かれている場合には内訳を確認してください。
また、出張費や元々使っていた給湯器の廃棄処分費は工事費と別に計算する業者もあります。出張費などが見積書に記載されていない場合は、どのように計算しているかを業者に聞いてみましょう。
給湯器交換業者の選び方
給湯器を交換するなら、交換業者選びが重要ですが、何を基準に業者を選んだらよいか分からない人も多いのではないでしょうか。ここからは給湯器交換業者の選び方を解説します。
許認可があるか
まず交換業者の許認可を確認しましょう。「指定給水装置工事業者」の認可があれば、その給水地域で工事を適切に行えると認められた業者だということがわかります。
また、給湯器を交換するにはガス工事・電気工事・水道工事をするための以下のような資格が必要です。
- ガス可とう管接続工事監督者(都市ガスの場合)
- 液化石油ガス設備士(プロパンガスの場合)
- 都市ガス会社へ登録している簡易内管施工士(都市ガスの場合)
- 給水装置工事主任技術者(無資格の作業員の場合は指定工事店管理であること)
- 第二種電気工事士または同等以上の資格
資格を持った作業者がいるかを確認し、不透明な業者には依頼しないようにしましょう、
保証期間がどのくらいあるか
保証期間がどのくらいあるかの確認も重要です。保証期間の長さ次第で交換のお得さが変わるからです。例えば、保証期間が3年の業者と10年の業者があって、10年の業者の交換費用が少し高かったとしても、総合的に見れば10年の業者の方がお得です。交換費用と保証期間のバランスを見て業者選びをしてください。
なお保証には「製品保証」と「工事保証」の2種類があります。「製品保証」は給湯器本体の保証です。「工事保証」は工事の不具合に関する保証です。
見積もりはわかりやすいか
業者に依頼するなら、なるべく見積もりがわかりやすい業者を選びましょう。見積もりがわかりやすいと、思わぬ追加費用が発生するといったトラブルが発生しにくくなります。交換費用の内訳がわかりやすく書かれているかを確認し、誠実に説明する業者を選びましょう。
施工実績はあるか
全く知らない業者の場合は、施工実績を確認しましょう。施工実績を公開していない業者は技術力が低い可能性があります。
施工件数のほか口コミも重要です。業者が公式サイトで公開していない場合は、Googleマップなどで業者を検索すると、口コミが掲載されている場合もあります。
アフターサービスが充実しているか
できればアフターサービスについても確認しておきましょう。万が一交換工事後に不具合が発生した場合にきちんと対応してくれる業者なら安心して頼めます。アフターサービスは業者によって異なるので、相見積もりを取る際に合わせて比較してみてください。
自分の家に合った給湯器の選び方
給湯器は長く使うものなので、できるだけ自分の家に合った製品を選びましょう。ここからは、自分の家に合った給湯器の選び方を解説します。
設置タイプとサイズで選ぶ
今使っている給湯器の設置スペースとサイズを確認して、無理なく設置できる給湯器を選びましょう。たとえば、給湯器がPS(パイプスペース)設置タイプなのかベランダ壁掛設置タイプなのかは要確認です。原則として今使っている給湯器と同じ設置タイプの給湯器と交換します。
また、サイズが大き過ぎるものは設置できないので、あらかじめ今の給湯器のサイズを測って参考にしましょう。
排気の仕方で選ぶ
給湯器選びでは排気の仕方に着目するのも重要です。排気口の位置が物件に合っていないと、壁や扉に穴を開けなければならなくなります。穴を開ける工事を許可してくれる大家さんもいるかもしれませんが、多くの場合は許可されないでしょう。
給湯器の排気口のタイプは前方、後方、上方の3つに分かれています。今使っている給湯器の排気口を確認して、同じタイプの排気口を持った給湯器を選びましょう。
号数(給湯能力)で選ぶ
給湯器には給湯能力を示す「号数」があります。号数は水温+25℃のお湯を1分間に何リットル出せるかを示すものです。16号であれば16リットル、20号であれば20リットル出せます。
号数が大きいと給湯できる量が多く、お湯はりが短く済んだり、お湯はりをしながら温水で洗い物ができたりするので使い勝手がよいです。しかし、号数が大き過ぎると、そもそも今住んでいるマンションに設置できなかったり、費用が高くついたりします。
一緒に住んでいる人数によって丁度良い号数の給湯器を選びましょう。号数と居住人数の目安は以下の通りです。
号数 | 16号 | 20号 | 24号 |
---|---|---|---|
居住人数 | 1~2人 | 2人 | 3~4人 |
とはいえ、マンションによってはどの号数の給湯器を設置できるか決まっている場合もあります。ガスメーターの容量や配管の口径によっては号数を大きくできません。マンションの規約などを確認してから給湯器を選びましょう。
機能で選ぶ
予算に余裕があれば機能にも注目して給湯器を選びましょう。たとえば、オート機能がある給湯器であればお湯はりを自動で行ってくれるので便利です。さらにフルオート機能があれば足し湯や追い焚き配管の洗浄を自動で行ってくれます。
効率的に給湯できるエコジョーズも人気です。エコジョーズは初期費用が高くつく代わりに、普段のガス使用量を節約できるため、トータルでお得に使えます。
機能が充実すればするほど交換費用は高くなりますが、交換後の生活が便利になるので予算に余裕があれば高機能の給湯器を選ぶのがおすすめです。
給湯器の交換を考えるべきタイミング
まだ給湯器が故障していない場合には、しばらく交換しなくてもよいと考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、給湯器が故障してから交換に向けて動き出すと、その間冷水しか使えません。お風呂にも入れませんし、特に冬場は洗い物にも困るでしょう。
給湯器はできれば完全に故障する前から交換に動き出すのがおすすめです。ここからは給湯器の交換を考えるべきタイミングについて解説します。
使いはじめてから10年が経過した場合
今の給湯器を使いはじめてから10年が経過している場合は、交換を検討しましょう。給湯器の寿命はおよそ10年とされています。10年を過ぎるとメーカーも修理のための部品を用意していない場合があり、修理が難しくなります。
故障のサインがあった場合
故障のサインがあった場合は、給湯器が完全に故障する前に交換へ動き出しましょう。以下のような場合は、給湯器が故障している可能性があります。
- お湯の温度が安定しない
- お湯が出るまでの時間が長い
- 変な音がする
- 水漏れしている
- 黒い煙が出る
給湯器を使いはじめてから10年ほど経っているなら、交換を視野に管理会社に連絡しましょう。使いはじめてからまだ時間が経っておらず、修理して使いたい場合は以下を参考に対処してください。
お湯の温度が安定しない
お湯の温度が安定しないのは、必ずしも故障が原因ではありません。例えば以下のような場合は、お湯の温度が安定しません。
- 複数の場所で温水を使っている
- ガス栓や給水元栓が半開きになっている
こうした場合は、複数の場所で同時に温水を使わないようにしたり、ガス栓や給水元栓を調整したりするだけで解決します。しかし、以下のように故障が原因の場合もあります。
- 混合水栓が故障している
- ガスメーターが故障している
こうした故障の修理は業者に依頼しましょう。修理費用の相場は、混合栓の修理が12,000円ほどです。ガスメーターの修理には費用がかかりません。
お湯が出るまでの時間が長い
これまで普通に使えていたのに、突然お湯が出るまでの時間が長くなったなら、給湯器が点火不良を起こしている可能性があります。点火不良は悪天候によっても起こりますが、給湯器の故障によっても起こります。
エラーメッセージが表示されているなら、取扱説明書やメーカーのサイトを参考に意味を調べてみましょう。故障している場合は修理の依頼が必要です。修理の相場は修理箇所にもよりますが、20,000~30,000円ほどです。
変な音がする
給湯器からこれまでしなかった変な音がするようになったら、故障している可能性があります。例えば、「ボッボッ」という異音がする原因はガス供給の滞りです。
危険な状態になっている場合もあるので、給湯器の使用はやめて、修理を依頼しましょう。故障の原因にもよりますが、修理の相場は20,000~30,000円ほどです。
水漏れしている
給湯器の「水抜き栓」から一時的に水が出ているなら問題ありませんが、他の箇所から水漏れしている場合は要注意です。水漏れを放置すると、修理費用が高額になるほか、最悪の場合下の階に被害が及ぶ可能性があります。
水漏れをしていたら、すぐに使用をやめ、修理を依頼しましょう。修理の相場は20,000~30,000円ほどです。
黒い煙が出る
黒い煙が出るのは給湯器の中で不完全燃焼が起きているのが原因です。一酸化炭素中毒になる可能性もあるので使用をやめて修理を依頼してください。修理の相場は20,000~30,000円ほどです。
なお、煙が白い場合は、ただの蒸気の可能性が高いので、あまり心配はいりません。変なニオイがあるなど異状があれば業者に相談してみましょう。
給湯器を交換するならお得に依頼を
ここまで給湯器の交換費用や安く交換するコツについて解説してきました。給湯器の交換は大きな出費になるので、なるべく余計な出費が発生しないようにしたいものです。
ハウスラボホームでは給湯器に精通したプロがお客様の元へ駆けつけ、実際に現場を確認して修理なのか交換なのか、症状や故障原因に合わせて最適な選択をいたします。
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